「デュアルモニターにしてから、首がずっと痛い…」
在宅勤務やデスクワークの効率化のためにデュアルモニター環境を導入したものの、首の痛みやコリに悩まされていませんか?仕事の効率は上がったのに、体への負担が増えてしまっては本末転倒です。
実は、デュアルモニター環境での首の痛みは、モニターの配置や使い方に原因があることがほとんどです。適切な対策を取れば、デュアルモニターの便利さを活かしながら、首の痛みを大幅に軽減できます。
この記事では、デュアルモニターで首が痛くなる5つの原因、配置パターン別の正しいセッティング方法、今すぐできる対策7選、そして症状が改善しない場合の受診の目安まで、徹底的に解説します。
デュアルモニターで首が痛くなる原因
まずは、なぜデュアルモニター環境で首が痛くなるのか、その原因を理解しましょう。原因を知ることで、効果的な対策を選べるようになります。
原因1:左右どちらかへの首の回転が続いている
デュアルモニターで首が痛くなる最大の原因は、左右どちらかのモニターを見るために首を回し続けていることです。
人間の首は正面を向いている状態が最も負担が少なく設計されています。首を左右に回転させた状態を長時間維持すると、首の筋肉(特に胸鎖乳突筋や斜角筋)に偏った負荷がかかり、痛みやコリの原因となります。
特に危険なのは、サブモニターを斜め前方に置いて、そちらを長時間見続けるケースです。メインモニターが正面にないまま作業を続けると、首への負担が蓄積していきます。
原因2:モニターの高さが目線と合っていない
モニターの高さが適切でないと、首を上下に傾けた状態が続き、痛みの原因となります。
・モニターが高すぎる場合:首を後ろに反らす姿勢が続き、首の後ろ側の筋肉に負担
・モニターが低すぎる場合:首を前に傾ける姿勢(ストレートネック姿勢)が続き、首の前側と肩に負担
デュアルモニターの場合、2台のモニターの高さが揃っていないと、モニターを切り替えるたびに首を上下に動かすことになり、さらに負担が増します。
原因3:モニターまでの距離が近すぎる・遠すぎる
モニターとの距離も首の痛みに影響します。
| 距離 | 起こりやすい問題 |
|---|---|
| 近すぎる(40cm未満) | 画面全体を見ようとして首を左右に大きく動かす。目の疲れも増加 |
| 遠すぎる(80cm以上) | 画面を見ようと首を前に突き出す姿勢になりやすい |
原因4:長時間の同じ姿勢による筋肉の硬直
デュアルモニターの広い作業領域に集中するあまり、長時間同じ姿勢を続けてしまうことも原因の一つです。
人間の体は動くように設計されています。どんなに正しい姿勢でも、1時間以上同じ姿勢を続けると筋肉が硬直し、血流が悪くなって痛みやコリにつながります。
原因5:そもそものモニター配置が間違っている
デュアルモニターの配置パターンは複数ありますが、自分の使い方に合っていない配置をしていると、無意識のうちに首に負担がかかります。
・両方のモニターを均等に見るのに、片方だけ正面に置いている
・メイン作業は1台で完結するのに、2台を対称に配置している
・サブモニターを見る頻度が高いのに、遠くに置いている
【配置パターン別】デュアルモニターの正しいセッティング
首の痛みを防ぐためには、自分の使用パターンに合った配置を選ぶことが重要です。主な3つのパターンと、それぞれの正しいセッティングを解説します。
パターン1:両方のモニターを均等に使う場合
プログラミング、トレード、監視業務など、2台のモニターをほぼ同じ頻度で見る場合の配置です。
【推奨配置】
・2台のモニターを体の正面中央に対称に配置
・モニター同士の境目が体の正面(鼻の延長線上)に来るようにする
・2台のモニターを内側に10〜15度ずつ傾けて、弧を描くように配置
・モニターの高さを揃える
この配置では、両方のモニターを見る際の首の回転角度が均等になり、左右の筋肉に偏った負担がかかりにくくなります。
パターン2:メインモニター+サブモニターの場合
メインモニターで主要な作業を行い、サブモニターは参照程度という使い方の場合です。多くのユーザーがこのパターンに該当します。
【推奨配置】
・メインモニターを体の正面に配置(これが最重要)
・サブモニターは利き手側または視線を移しやすい側に配置
・サブモニターは10〜30度程度内側に傾ける
・サブモニターの高さはメインと揃える、または少し低くても可
このパターンで最も重要なのは「メインモニターを正面に置く」ことです。メインモニターが少しでも左右にずれていると、作業時間の大半を首を傾けた状態で過ごすことになります。
パターン3:縦置きモニターを組み合わせる場合
コーディングや文書作業で縦置きモニターを使う場合の配置です。
【推奨配置】
・横置きメインモニターを正面に配置
・縦置きサブモニターを左右どちらかに配置
・縦置きモニターの上端がメインモニターの上端と揃う程度の高さに
・縦置きモニターを15〜20度内側に傾ける
縦置きモニターは横置きより上下に長くなるため、高さの調整が特に重要です。上を見上げる姿勢にならないよう注意しましょう。
理想的なモニター位置の具体的な数値
厚生労働省の「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を参考に、理想的なモニター位置の数値をまとめます。
出典:厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」
| 項目 | 推奨値 |
|---|---|
| モニターとの距離 | 40〜75cm(腕を伸ばして指先が画面に触れる程度) |
| 画面上端の高さ | 目線と同じか、やや下(10〜15度下を見る程度) |
| 画面の傾き | 上端がやや奥に傾く角度(10〜20度程度) |
| デュアルモニターの角度 | それぞれ内側に10〜30度傾ける |
今すぐできる首の痛み対策7選
原因と正しい配置がわかったところで、具体的な対策を実践しましょう。まずは今日からできる7つの対策です。
対策1:モニターの高さを調整する
最も効果的で、すぐにできる対策がモニターの高さ調整です。
【調整手順】
1. 椅子に深く座り、背筋を伸ばした状態で正面を向く
2. 視線をまっすぐ前に向けた時、画面の上端〜上から1/3あたりが目線の高さになるように調整
3. モニタースタンドの高さ調整機能を使う、または本や台で底上げする
4. 2台のモニターの高さを揃える
モニタースタンドに高さ調整機能がない場合は、本、雑誌、モニター台、ノートPCスタンドなどで代用できます。数センチの調整でも効果を感じられることが多いです。
対策2:モニターアームを導入する
モニターアームを使うと、高さ・角度・距離を自由に調整でき、首への負担を最小限にできます。
・高さ調整が無段階で可能
・奥行きの調整ができ、最適な距離に設定しやすい
・モニターの角度を細かく調整できる
・デスクのスペースが広がる
特にデュアルモニター用のアームは、2台のモニターを一括で管理でき、配置の最適化が容易です。
対策3:メインモニターを正面に配置する
「パターン2」の使い方をしているなら、メインモニターが本当に正面にあるか確認してください。
【確認方法】
1. 椅子に座って目を閉じる
2. 顔を正面に向けて目を開ける
3. 視線の先にメインモニターの中央があるかチェック
4. ずれていたら、モニターまたは椅子の位置を調整
対策4:椅子とデスクの高さを見直す
モニターだけでなく、椅子とデスクの高さも首の痛みに影響します。
・椅子の高さ:足の裏が床に着き、膝が90度程度に曲がる高さ
・デスクの高さ:肘が90度程度に曲がり、キーボードに自然に手が届く高さ
・アームレスト:肩が上がらず、肘が90度で支えられる高さ
椅子やデスクの高さがずれていると、体全体のバランスが崩れ、結果的に首に負担がかかります。
対策5:20-20-20ルールを実践する
「20-20-20ルール」とは、20分ごとに20フィート(約6m)先を20秒間見るという、目と首の疲れを防ぐ方法です。
【実践方法】
・20分に1回、意識的にモニターから目を離す
・窓の外や部屋の奥など、遠くを見る
・ついでに首を軽く回したり、肩を動かしたりする
・タイマーやリマインダーアプリを活用する
対策6:首と肩のストレッチを習慣化する
作業の合間に簡単なストレッチを行うことで、筋肉の硬直を防ぎ、痛みを予防できます。
【簡単な首のストレッチ】
1. 首をゆっくり右に傾け、10〜15秒キープ
2. 左に傾けて同様に10〜15秒キープ
3. 顎を引いて、首の後ろを伸ばす(10〜15秒)
4. 肩を大きく回す(前回し5回、後ろ回し5回)
※痛みを感じない範囲で行ってください。急に強く動かさないこと。
対策7:作業姿勢を定期的にリセットする
長時間の作業では、気づかないうちに姿勢が崩れていることがあります。
・1時間に1回は立ち上がって体を動かす
・椅子に座り直す習慣をつける
・スマートウォッチやアプリのリマインダーを活用
・スタンディングデスクがあれば、立ち作業と座り作業を交互に
首の痛みを根本から解消するための環境改善
一時的な対策だけでなく、根本的にデスク環境を見直すことで、首の痛みを恒久的に解消できます。
モニターアーム選びのポイント
デュアルモニター用のモニターアームを選ぶ際のポイントです。
| チェックポイント | 内容 |
|---|---|
| 耐荷重 | 使用するモニターの重量に余裕を持って対応しているか |
| VESA規格 | モニター背面のネジ穴間隔(75×75mmまたは100×100mm)に対応しているか |
| 可動域 | 高さ・奥行き・角度が十分に調整できるか |
| 設置方式 | クランプ式(挟み込み)とグロメット式(穴あけ)どちらが適しているか |
| ガススプリング | 位置調整がスムーズで、固定力が十分か |
椅子の選び方と調整方法
デスクワークの首の痛みには、椅子の質も大きく影響します。
・座面の高さ調整ができること(必須)
・背もたれの角度調整ができること(推奨)
・ランバーサポート(腰椎支持)があること(推奨)
・ヘッドレスト付きなら、首を預けて休める
・アームレストの高さ調整ができるとなお良い
出典:一般社団法人日本オフィス家具協会「オフィスチェアの選び方」
デスク周りのレイアウト最適化
モニター以外の周辺機器の配置も見直しましょう。
・キーボードとマウス:体の正面に配置し、肘が90度になる高さに
・よく使う書類や電話:首を大きく動かさなくても手が届く位置に
・照明:モニターへの映り込みを避け、目の疲れを軽減
・窓との位置関係:逆光にならないよう配置
症状別|対処法と受診の目安
首の痛みの程度によって、適切な対処法は異なります。
軽度の違和感・コリの場合
・この記事で紹介した対策を実践する
・ストレッチを習慣化する
・入浴時に首と肩を温める
・市販の温感湿布を活用する
・1〜2週間で改善することが多い
慢性的な痛みが続く場合
・2週間以上対策をしても改善しない場合は受診を検討
・整形外科を受診し、原因を特定してもらう
・理学療法やマッサージを受ける選択肢も
・市販の鎮痛剤に頼りすぎない(根本解決にならない)
手のしびれや頭痛を伴う場合
首の痛みに加えて、以下の症状がある場合は早めに医療機関を受診してください。
・手や腕のしびれ、力が入らない
・頭痛が頻繁に起こる
・めまいや吐き気がある
・首を動かすと痛みが強まる
これらの症状は、頸椎ヘルニアや頸椎症などの可能性があります。自己判断せず、専門医の診察を受けてください。
よくある質問(FAQ)
Q:デュアルモニターをやめて1台にした方が良いですか?
A:必ずしもそうではありません。正しい配置と使い方をすれば、デュアルモニターでも首への負担は最小限にできます。作業効率の向上というメリットを考えると、まずは配置の見直しから始めることをおすすめします。
Q:モニターアームは必須ですか?
A:必須ではありませんが、あると非常に便利です。特にモニタースタンドに高さ調整機能がない場合や、頻繁にモニター位置を変えたい場合は、導入する価値があります。
Q:縦置きモニターは首に悪いですか?
A:縦置きモニター自体が悪いわけではありません。ただし、縦置きにすると画面が上下に長くなるため、高さの調整が特に重要になります。画面上部を見上げる姿勢にならないよう、上端の位置に注意してください。
Q:どのくらいの期間で首の痛みは改善しますか?
A:個人差がありますが、正しい対策を実践すれば、軽度の痛みであれば数日〜2週間程度で改善することが多いです。慢性的な痛みの場合は、改善に数週間〜数ヶ月かかることもあります。改善が見られない場合は、医療機関への相談をおすすめします。
Q:ウルトラワイドモニター1台に変えた方が良いですか?
A:選択肢の一つです。ウルトラワイドモニターは中央に配置しやすいため、首の回転が減るメリットがあります。ただし、画面が大きいため奥行きや高さの調整が重要になります。予算やデスクスペースと相談して検討してください。
まとめ
デュアルモニター環境での首の痛みについて、原因から対策まで解説しました。
【ポイントのおさらい】
●首が痛くなる主な原因
・左右どちらかへの首の回転が続いている
・モニターの高さが目線と合っていない
・メインモニターが正面にない
●配置の基本
・メイン作業をするモニターを正面に配置
・2台均等に使う場合は対称配置
・画面上端が目線と同じか、やや下に
●今すぐできる対策
・モニターの高さを調整する
・20-20-20ルールを実践する
・首と肩のストレッチを習慣化する
●根本解決には
・モニターアームの導入を検討
・椅子とデスクの高さも見直す
・改善しなければ医療機関を受診
デュアルモニターは正しく使えば作業効率を大幅に向上させる便利なツールです。この記事を参考に、首への負担を軽減しながら、快適なデスクワーク環境を実現してください。
首の痛みが2週間以上続く場合や、手のしびれ・頭痛などを伴う場合は、自己判断せず医療機関(整形外科)を受診してください。この記事は一般的な情報提供を目的としており、医療アドバイスの代替となるものではありません。





















