マンションのWiFiが夜だけ遅い!原因と7つの改善策を徹底解説

「昼間は普通に使えるのに、夜になるとWiFiが急に遅くなる…」
マンションに住んでいると、夜間にインターネットが遅くなる問題に悩まされることがあります。動画が止まる、オンラインゲームがカクつく、リモートワークの会議が途切れる。せっかくの自由時間がストレスに変わってしまいます。
この記事では、マンションのWiFiが夜だけ遅くなる原因を詳しく解説し、今すぐ試せる改善策から根本的な解決方法まで紹介します。
読み終わるころには、あなたのマンションで何が起きているのかがわかり、最適な対処法を選べるようになります。
マンションのWiFiが夜だけ遅くなる5つの原因
まずは、なぜ夜になると遅くなるのか、その原因を理解しましょう。
回線を住民で共有しているため混雑する
マンションのインターネット回線は、多くの場合、建物全体で1本の回線を共有しています。
昼間は仕事や学校で外出している人が多いため、回線を使う人が少なく快適です。しかし夜になると住民が一斉に帰宅し、動画視聴やゲームなどでインターネットを使い始めるため、回線が混雑します。
これは高速道路の渋滞と同じ仕組みです。道路(回線)の容量は決まっているため、車(データ通信)が増えると流れが悪くなります。
特に「インターネット無料」を謳っているマンションでは、この問題が顕著です。コスト削減のために回線容量が抑えられていることが多いためです。
プロバイダの設備が混雑している
回線だけでなく、プロバイダ(インターネット接続事業者)の設備も混雑の原因になります。
プロバイダは、ユーザーからのデータ通信をインターネットに接続する役割を担っています。夜間は全国的にインターネット利用が増えるため、プロバイダの設備が処理しきれなくなることがあります。
出典:総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計結果」
この場合、マンション内だけでなく、同じプロバイダを使っている地域全体で速度低下が起きています。
マンション内の配線方式による限界
マンションの配線方式によって、そもそもの速度上限が決まっています。
| 配線方式 | 最大速度 | 特徴 |
|---|---|---|
| 光配線方式 | 1Gbps〜10Gbps | 各部屋まで光ファイバーで配線。高速 |
| VDSL方式 | 100Mbps | 共用部まで光、各部屋へは電話線で配線 |
| LAN配線方式 | 100Mbps〜1Gbps | 共用部まで光、各部屋へはLANケーブルで配線 |
VDSL方式のマンションでは、どれだけ対策しても最大100Mbpsが上限です。この速度を複数世帯で共有するため、夜間は10Mbps以下になることも珍しくありません。
WiFiルーターの性能不足
回線側に問題がなくても、WiFiルーターの性能が低いと速度が出ません。
古いルーターや安価なルーターは、最新の高速通信規格に対応していなかったり、同時接続に弱かったりします。夜間に家族全員がスマホやパソコンを使うと、ルーターが処理しきれなくなることがあります。
近隣住民とのWiFi電波干渉
マンションでは、隣や上下の部屋からのWiFi電波と干渉することがあります。
特に2.4GHz帯のWiFiは、使えるチャンネル数が限られているため、同じチャンネルを使っている近隣住民と電波が干渉しやすくなります。夜間は多くの住民がWiFiを使うため、干渉が激しくなります。
まずは原因を特定しよう
対策を講じる前に、何が原因で遅くなっているのかを特定することが重要です。
速度測定で現状を把握する
まずは、現在の通信速度を測定しましょう。
Googleで「スピードテスト」と検索すると、ブラウザ上で速度測定ができます。または「Fast.com」などの速度測定サイトを利用することもできます。
| 速度の目安 | できること |
|---|---|
| 1Mbps以下 | Webサイト閲覧も困難 |
| 1〜5Mbps | Webサイト閲覧、標準画質の動画視聴 |
| 5〜25Mbps | HD画質の動画視聴、Web会議 |
| 25〜100Mbps | 4K動画視聴、オンラインゲーム |
| 100Mbps以上 | 大容量ファイルのダウンロード、複数人での同時利用 |
夜間に5Mbps以下になっている場合は、明らかに改善が必要な状態です。
有線接続で速度を比較する
WiFiの問題か、回線自体の問題かを切り分けるために、有線LAN接続で速度を測定してみてください。
パソコンとルーターをLANケーブルで直接接続し、同じ時間帯に速度を測定します。
・有線でも遅い → 回線またはプロバイダの問題 ・有線だと速い、WiFiだと遅い → WiFiルーターまたは電波の問題
この切り分けによって、対策の方向性が変わります。
時間帯別の速度変化を記録する
朝・昼・夜など、異なる時間帯で速度を測定し、記録しておきましょう。
速度測定の結果は、管理会社やプロバイダに相談する際の重要な証拠になります。日付・時刻・測定結果をメモやスクリーンショットで残しておくことをおすすめします。
もし夜間だけ極端に遅くなるなら、回線の混雑が主な原因と考えられます。一日中遅い場合は、回線自体の問題や設備の故障の可能性があります。
今すぐ試せる改善策7選
原因がわかったところで、まずはお金をかけずに試せる改善策から始めましょう。
WiFiルーターを再起動する
もっとも手軽な方法は、WiFiルーターの再起動です。
ルーターは長時間稼働し続けると、メモリが圧迫されたり、一時的な不具合が蓄積したりすることがあります。電源を抜いて30秒ほど待ち、再度電源を入れることで改善することがあります。
WiFiの周波数帯を変更する
WiFiには2.4GHz帯と5GHz帯の2つの周波数帯があります。
| 周波数帯 | 特徴 |
|---|---|
| 2.4GHz帯 | 障害物に強いが、干渉を受けやすく速度が遅め |
| 5GHz帯 | 干渉を受けにくく高速だが、障害物に弱い |
マンションで電波干渉が起きている場合は、5GHz帯に切り替えることで改善することがあります。ルーターの近くで使う場合は5GHz帯がおすすめです。
WiFiのSSID(ネットワーク名)の末尾に「-5G」や「-a」がついているのが5GHz帯、「-2G」や「-g」がついているのが2.4GHz帯です。スマホやパソコンのWiFi設定で接続先を変更できます。
ルーターの設置場所を最適化する
WiFiルーターの設置場所を見直すことで、電波状況が改善することがあります。
・部屋の中心に近い場所に置く ・床に直置きせず、棚の上など高い位置に置く ・壁や家具から離す ・電子レンジや水槽の近くを避ける ・金属製の棚や家具の中に入れない
特に、ルーターを壁際や部屋の隅に置いている場合は、中心に近い場所に移動させるだけで改善することがあります。
接続端末を減らす
WiFiに接続している端末が多いと、ルーターの処理能力が追いつかなくなることがあります。
使っていないスマホやタブレット、スマート家電などのWiFi接続を切断してみてください。特に、バックグラウンドで通信を行っている端末(クラウド同期、アプリの自動更新など)は、知らないうちに帯域を消費していることがあります。
有線LAN接続に切り替える
安定した通信が必要な機器は、有線LAN接続に切り替えることを検討してください。
パソコンやゲーム機など、固定して使う機器はLANケーブルで接続することで、WiFiの混雑や電波干渉の影響を受けなくなります。
WiFiルーターを買い替える
古いルーターを使っている場合は、最新のルーターに買い替えることで改善することがあります。
| WiFi規格 | 最大速度 | 登場年 |
|---|---|---|
| WiFi 4(802.11n) | 600Mbps | 2009年 |
| WiFi 5(802.11ac) | 6.9Gbps | 2013年 |
| WiFi 6(802.11ax) | 9.6Gbps | 2019年 |
| WiFi 6E | 9.6Gbps | 2021年 |
WiFi 4以前のルーターを使っている場合は、WiFi 6対応のルーターに買い替えることで、速度と安定性が向上する可能性があります。
ルーターを買い替えても、回線自体が遅い場合は効果が限定的です。有線接続で速度を測定し、回線側に問題がないことを確認してから買い替えを検討してください。
IPv6(IPoE)接続に切り替える
プロバイダがIPv6(IPoE)接続に対応している場合は、切り替えることで速度が改善することがあります。
IPv6(IPoE)とは、従来のIPv4(PPPoE)とは異なる接続方式。混雑しやすいポイントを迂回するため、夜間でも速度が低下しにくいとされています。
IPv6接続を利用するには、プロバイダがIPv6に対応していること、ルーターがIPv6に対応していることが条件です。プロバイダのマイページや問い合わせで確認できます。
根本解決のための選択肢
上記の対策で改善しない場合は、より根本的な解決策を検討しましょう。
管理会社・管理組合に相談する
マンション共有型のインターネットを利用している場合は、まず管理会社や管理組合に相談してください。
相談する際は、速度測定の結果や、いつ・どのような問題が起きているかを具体的に伝えましょう。同じ問題を感じている住民が多ければ、回線の増強や設備の見直しが検討される可能性があります。
・速度測定の結果(日時、測定値) ・問題が起きる時間帯 ・どのような不便が生じているか ・他の住民も同様の問題を感じているか
プロバイダを変更する
個別に光回線を契約している場合は、プロバイダの変更で改善することがあります。
プロバイダによって設備の混雑状況が異なるため、別のプロバイダに変更することで速度が向上する可能性があります。特に、IPv6(IPoE)接続に対応したプロバイダを選ぶと、夜間の速度低下が軽減されることがあります。
光コラボ(ドコモ光、ソフトバンク光など)を契約している場合は、事業者変更という手続きで、工事なしで別の光コラボに乗り換えられます。
個別に光回線を契約する
マンション共有型のインターネットが遅い場合、個別に光回線を契約する方法があります。
ただし、マンションによっては個別契約が許可されていない場合や、工事ができない場合があります。事前に管理会社や管理組合に確認が必要です。
個別契約のメリットは、他の住民と回線を共有しないため、混雑の影響を受けにくいことです。
ホームルーターやモバイル回線を検討する
光回線の個別契約が難しい場合は、ホームルーターやモバイル回線を検討する方法もあります。
| 選択肢 | 特徴 |
|---|---|
| ホームルーター | 工事不要。コンセントに挿すだけで使える。モバイル回線を利用 |
| ポケットWiFi | 工事不要。持ち運び可能。モバイル回線を利用 |
| 楽天モバイル等のテザリング | スマホ契約のみで利用可能。追加機器不要 |
モバイル回線は光回線ほどの速度は出ませんが、マンションの回線混雑とは無関係に通信できるため、夜間の速度低下を回避できる可能性があります。
マンションのネット回線タイプ別の対処法
マンションのネット回線タイプによって、有効な対策が異なります。
マンション共有型(無料インターネット)の場合
「インターネット無料」のマンションでは、回線を全住民で共有しているため、夜間の混雑が起きやすい傾向があります。
・管理会社に回線増強を要望する ・個別に光回線を契約できるか確認する ・ホームルーターやモバイル回線を併用する ・WiFiルーターの最適化で少しでも改善を図る
共有型の回線は、個人でできる対策に限界があります。根本的な解決には、管理会社への働きかけか、別回線の契約が必要になることが多いです。
VDSL方式の場合
VDSL方式のマンションでは、最大速度が100Mbpsに制限されています。
VDSL方式は、マンションの共用部まで光ファイバー、各部屋へは電話線で配線する方式です。電話線の部分がボトルネックとなり、速度が制限されます。
VDSL方式での対処法は限られています。
・IPv6(IPoE)接続に切り替える(多少の改善が期待できる) ・光配線方式への変更を管理組合に提案する(大規模工事が必要) ・個別に光回線を引く(許可が必要) ・ホームルーターやモバイル回線を検討する
光配線方式の場合
光配線方式のマンションでは、各部屋まで光ファイバーで配線されているため、高速通信が可能です。
それでも夜間に遅くなる場合は、プロバイダの混雑が原因の可能性が高いです。
・IPv6(IPoE)接続に切り替える ・プロバイダを変更する ・WiFiルーターを最新のものに買い替える ・有線LAN接続を活用する
光配線方式であれば、プロバイダの変更やIPv6接続への切り替えで大幅に改善することが期待できます。
よくある質問(FAQ)
A. まずは管理会社または管理組合に相談してください。マンション共有型の回線であれば、回線の増強や設備の見直しを検討してもらえる可能性があります。個別契約の光回線であれば、契約しているプロバイダに相談してください。
A. 部屋の壁にあるコンセントを確認してください。電話線のモジュラージャック(RJ-11)に接続する機器がある場合はVDSL方式です。光コンセントがある場合は光配線方式です。わからない場合は、管理会社やプロバイダに問い合わせてください。
A. ルーターが原因で遅くなっている場合は改善します。ただし、回線自体が遅い場合は効果が限定的です。まず有線LAN接続で速度を測定し、回線側に問題がないことを確認してから買い替えを検討してください。
A. マンションによります。管理規約で禁止されている場合や、建物の構造上工事ができない場合があります。まず管理会社や管理組合に確認してください。許可が得られれば、個別に光回線を契約することで、他の住民と回線を共有せずに済みます。
A. 用途によります。Web閲覧や動画視聴であれば十分対応できます。ただし、光回線ほどの速度や安定性は期待できないため、オンラインゲームや大容量ファイルのやり取りには向きません。マンションの回線が非常に遅い場合は、ホームルーターのほうが速いこともあります。
まとめ
マンションのWiFiが夜だけ遅くなる原因と対処法について解説しました。
・夜間に遅くなる主な原因は、回線の混雑、プロバイダの混雑、配線方式の限界
・まずは速度測定と有線接続での比較で、原因を特定する
・WiFiルーターの再起動、周波数帯の変更、設置場所の最適化は今すぐ試せる
・IPv6(IPoE)接続への切り替えで改善することがある
・根本解決には、管理会社への相談、プロバイダ変更、個別回線契約などが有効
・VDSL方式のマンションでは対策に限界があり、別回線の検討も選択肢
まずは速度測定で現状を把握し、有線接続との比較で原因を切り分けてください。
WiFiルーターの問題であれば、設置場所の最適化や買い替えで改善できます。回線自体の問題であれば、管理会社への相談やプロバイダの変更を検討しましょう。















