「本ページはプロモーションが含まれています」

デスク環境・PC周辺機器

ゲーミングPCの電源がつかない原因と対処法10選【完全ガイド】

「さっきまで普通に使えていたのに、急にゲーミングPCの電源がつかなくなった…」

電源ボタンを押しても無反応、ファンすら回らない。または、一瞬電源が入ってもすぐに落ちてしまう——。このような状況でパニックになっていませんか。

ゲーミングPCの電源トラブルは、原因によって「自分で簡単に直せるケース」と「修理が必要なケース」に分かれます。電源ケーブルの抜けや静電気など、数分で解決できる原因も意外と多いのです。

一方で、焦って不用意に対処すると、状況を悪化させてしまう可能性もあります。

この記事では、電源がつかない症状のパターン別に考えられる原因を整理し、順番に試すべき対処法を詳しく解説します。落ち着いて、一つずつ確認していきましょう。


まず確認!電源がつかない時の症状チェック

対処法を試す前に、あなたのPCがどのような状態なのかを確認しましょう。症状によって原因と対処法が大きく異なります

症状パターン①:電源ボタンを押しても完全に無反応

電源ボタンを押しても、まったく反応がない状態です。ファンも回らず、LEDも点灯しません。

考えられる主な原因

  • 電源ケーブルの接続不良・抜け
  • 電源タップの故障・スイッチOFF
  • 電源ユニット(PSU)の故障
  • 電源ユニットのスイッチがOFF
  • マザーボードの故障
  • 静電気の帯電

症状パターン②:電源は入るがすぐ落ちる

電源ボタンを押すと一瞬ファンが回ったり、LEDが点灯したりするが、すぐに電源が切れてしまう状態です。

考えられる主な原因

  • 電源ユニットの容量不足・故障
  • CPUの取り付け不良・故障
  • メモリの接触不良・故障
  • マザーボードの故障
  • ショート(短絡)の発生
  • 過熱による保護機能の作動

症状パターン③:ファンは回るが画面が映らない

電源は入り、ファンも回転しているが、モニターに何も表示されない状態です。

考えられる主な原因

  • グラフィックボードの接触不良・故障
  • メモリの接触不良・故障
  • モニターとの接続問題(ケーブル、入力切替)
  • BIOS設定の問題
  • CPUの内蔵グラフィック関連の問題

症状パターン④:ビープ音が鳴る

電源投入時にビープ音(ピッピッという電子音)が鳴り、起動しない状態です。

ビープ音は重要なヒント

ビープ音のパターン(回数、長短)は、マザーボードからのエラーコードです。マザーボードのメーカーや搭載されているBIOSによって意味が異なります。取扱説明書やメーカーサイトで確認することで、故障箇所を特定できます。

ビープ音パターン(例:AMI BIOS)考えられる原因
短音1回正常起動
短音3回メモリエラー
長音1回+短音3回グラフィックボードエラー
連続ビープメモリ未検出・電源問題

ゲーミングPC電源がつかない10の原因と対処法

ここからは、考えられる原因と対処法を、簡単に確認できるものから順番に紹介します。上から順に試していくことで、効率よく原因を特定できます。

①電源ケーブルの接続不良

最も基本的で、見落としやすい原因です。

確認ポイント

  • 電源ケーブルがコンセントにしっかり刺さっているか
  • 電源ケーブルがPC本体にしっかり刺さっているか
  • ケーブルに損傷(断線、折れ曲がり)がないか

対処法

  1. 電源ケーブルを一度抜く
  2. 両端(コンセント側、PC側)をしっかり差し直す
  3. 別の電源ケーブルがあれば交換して試す

意外と多い「ケーブルの緩み」

PCを動かした時や、掃除の際にケーブルが緩んでいることがあります。特に、電源ケーブルのPC側接続部は見落としやすいので、しっかり確認してください。

②電源タップ・コンセントの問題

電源タップやコンセント自体に問題がある場合もあります。

対処法

  1. 電源タップのスイッチがONになっているか確認
  2. 別のコンセント(壁のコンセント直接など)に接続して試す
  3. 他の電化製品をそのコンセントに接続して通電確認
  4. ブレーカーが落ちていないか確認

雷サージによる故障

落雷時にサージ(瞬間的な過電圧)が発生し、電源タップや電源ユニットが故障することがあります。雷が多い時期にPCを使用する際は、サージプロテクター付きの電源タップの使用を推奨します。

③電源ユニットのスイッチがOFF

電源ユニット(PSU)の背面には、主電源スイッチがあります。これがOFFになっていると電源は入りません。

対処法

  1. PC背面の電源ユニット付近を確認
  2. 「○」と「|」または「OFF」と「ON」の表示があるスイッチを探す
  3. 「|」または「ON」側になっているか確認
  4. OFFになっていれば、ONに切り替える

スイッチの意味

  • 「○」=OFF(電流が流れない)
  • 「|」=ON(電流が流れる)

PCを移動した際や、ケーブルを抜き差しした際に、うっかりOFFにしてしまうことがあります。

④静電気の帯電

PC内部に静電気が溜まると、起動しなくなることがあります。簡単に試せて効果が高い対処法です。

対処法(放電作業)

  1. PCの電源を切り、電源ケーブルをコンセントから抜く
  2. 電源ユニットのスイッチをOFFにする
  3. 電源ボタンを5〜10回押す(放電のため)
  4. そのまま5〜10分放置する
  5. 電源ケーブルを接続し、電源ユニットのスイッチをONにする
  6. 電源ボタンを押して起動を試みる

なぜ効果があるのか

PC内部のコンデンサに不要な電気が溜まると、正常な起動を妨げることがあります。放電作業によってこれをリセットし、正常な状態に戻すことができます。

⑤電源ユニットの故障

上記の対処法で解決しない場合、電源ユニット(PSU)自体が故障している可能性があります。

電源ユニット故障のサイン

  • まったく通電しない
  • 焦げた匂いがする
  • 異音がする(コイル鳴き、カチカチ音など)
  • 電源投入時に火花が見えた

電源ユニットの動作確認方法(ペーパークリップテスト)

  1. 電源ケーブルを抜き、PC内のすべてのコネクタを外す
  2. 24ピン電源コネクタを用意
  3. ペーパークリップを伸ばし、緑色のケーブル(PS_ON)と黒色のケーブル(GND)の穴に差し込む
  4. 電源ケーブルを接続し、電源スイッチをON
  5. ファンが回れば電源ユニットは動作している

注意:上級者向けの作業です

ペーパークリップテストは感電のリスクがあります。不安な場合は、別の正常な電源ユニットがあればそれと交換して試すか、修理業者に依頼してください。

出典:一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)

⑥マザーボードの故障

電源ユニットが正常でも電源が入らない場合、マザーボードの故障が考えられます。

マザーボード故障のサイン

  • 電源ユニットは正常だが通電しない
  • コンデンサの膨張・液漏れが見られる
  • 焦げ跡がある
  • LEDがまったく点灯しない

目視確認のポイント

PCケースを開けて、マザーボードを目視確認してください。コンデンサ(円筒形の部品)の上部が膨らんでいたり、茶色い液体が漏れていたりする場合は、マザーボードの故障が確定的です。

マザーボードの故障は、基本的に交換が必要です。BTOやメーカー製PCの場合は、メーカー修理に出すことをおすすめします。

⑦メモリの接触不良・故障

メモリがしっかり刺さっていなかったり、故障していたりすると、電源が入らない(またはすぐ落ちる)ことがあります。

対処法

  1. PCの電源を切り、電源ケーブルを抜く
  2. PCケースを開ける
  3. メモリを取り外す(両端のロックを外して上に引き抜く)
  4. メモリの端子部分をエアダスターまたは柔らかい布で清掃
  5. メモリを再度しっかりと差し込む(カチッと音がするまで)
  6. 電源を入れて起動を確認

メモリが複数枚ある場合

メモリを1枚ずつ刺して起動を試みることで、故障しているメモリを特定できます。1枚で起動すれば、もう1枚のメモリが故障している可能性があります。

⑧グラフィックボードの接触不良・故障

ゲーミングPCでは、グラフィックボード(GPU)の問題も多く見られます。

対処法

  1. PCの電源を切り、電源ケーブルを抜く
  2. PCケースを開ける
  3. グラフィックボードの補助電源ケーブルを確認(しっかり刺さっているか)
  4. グラフィックボードをスロットから取り外す
  5. 端子部分を清掃し、スロットにしっかり差し直す
  6. 電源を入れて起動を確認

内蔵グラフィックで起動を試す

CPUに内蔵グラフィック(Intel UHD Graphics、AMD Radeon Graphicsなど)がある場合、グラフィックボードを外してマザーボードの映像出力端子にモニターを接続することで、グラフィックボードが原因かどうかを切り分けられます。

⑨CPUの問題

CPUの取り付け不良や故障は稀ですが、可能性としてはあります。

CPUが原因の可能性があるケース

  • 最近CPUを交換した、または取り付け直した
  • CPUクーラーが正しく取り付けられていない
  • サーマルペーストが劣化している
  • CPUピンの曲がり(AMD CPUの場合)

CPUの取り外しは慎重に

CPUの取り外し・取り付けは、ピン折れなどのリスクがあります。最近触っていない場合は、CPUが原因である可能性は低いため、他の原因を先に疑ってください。

⑩CMOS電池の消耗

マザーボードに搭載されているCMOS電池(ボタン電池CR2032など)が消耗すると、BIOS設定がリセットされ、起動に問題が生じることがあります。

CMOS電池切れのサイン

  • 日付・時刻が毎回リセットされる
  • BIOS設定が保存されない
  • 購入から3〜5年以上経過している

対処法

  1. PCの電源を切り、電源ケーブルを抜く
  2. PCケースを開け、マザーボード上のボタン電池を探す
  3. 電池を取り外す(ロックを外してスライド)
  4. 新しいCR2032電池と交換
  5. 電源を入れて起動を確認

原因特定のためのフローチャート

どこから確認すべきか迷った場合は、以下のフローを参考にしてください。

原因特定フロー

【症状】電源ボタンを押しても完全に無反応 ↓ 【STEP 1】電源ケーブル・コンセント・タップを確認 ↓ 問題なし 【STEP 2】電源ユニットのスイッチを確認(ONになっているか) ↓ 問題なし 【STEP 3】放電作業を実施 ↓ 改善しない 【STEP 4】電源ユニットの動作確認 ↓ 動作している 【STEP 5】マザーボードの目視確認 ↓ 異常なし 【STEP 6】メモリの抜き差し ↓ 改善しない 【STEP 7】最小構成で起動テスト ↓ 改善しない → 修理・パーツ交換を検討


自分で対処できるケース・修理が必要なケース

自分で対処可能な症状

以下のケースは、自分で対処できる可能性が高いです。

症状原因対処法
完全に無反応ケーブル・タップ・スイッチの問題接続確認、スイッチ確認
一瞬つくが落ちる静電気、メモリ接触不良放電、メモリ抜き差し
ファンは回るが画面が映らないグラボ・メモリの接触不良抜き差し、清掃
ビープ音が鳴るメモリ・グラボのエラー抜き差し、1枚ずつ試す

修理・交換が必要な症状

以下のケースは、パーツ交換または専門業者への修理依頼が必要です。

修理・交換が必要なケース

  • 電源ユニットが故障している(テストで確認済み)
  • マザーボードのコンデンサが膨張・液漏れしている
  • 焦げた匂いがする、焦げ跡がある
  • 上記の対処法をすべて試しても改善しない
  • 落雷・水濡れなど物理的なダメージがある

保証期間の確認方法

保証期間内なら無償修理の可能性

ゲーミングPCの多くは、購入から1〜3年の保証期間があります。保証期間内であれば、無償で修理・交換してもらえる可能性があります。購入時のレシート、保証書、注文履歴を確認してください。

BTOメーカー(ドスパラ、マウスコンピューター、パソコン工房など)の場合は、各社のサポートサイトから修理依頼が可能です。

出典:一般社団法人 日本電子機器補修協会(JERA)


自作PCとBTO・メーカー製PCで対応が異なる点

項目自作PCBTO・メーカー製PC
分解・パーツ交換自由に可能保証対象外になる可能性あり
原因の切り分け自分で各パーツをテストメーカーサポートに相談推奨
パーツ交換自分で部品を購入・交換メーカー修理または依頼
保証各パーツの保証を確認PC全体の保証を確認

BTOやメーカー製PCを分解する際の注意

保証期間内のBTOやメーカー製PCを分解すると、保証が無効になる場合があります。分解シールが貼られている場合は特に注意してください。保証期間内であれば、まずメーカーサポートに連絡することをおすすめします。


電源トラブルを予防する5つの習慣

今後、電源トラブルを防ぐために、以下の習慣を心がけましょう。

電源トラブル予防の5つの習慣

  1. 高品質な電源ユニットを使用する(80PLUS認証品を推奨)
  2. サージプロテクター付きの電源タップを使用する
  3. 定期的にPC内部のホコリを清掃する(3〜6ヶ月に1回)
  4. PCを適切な温度環境で使用する(過度な高温・低温を避ける)
  5. 電源ケーブルを無理に曲げたり、踏んだりしない

電源ユニットの寿命

電源ユニットの一般的な寿命は3〜5年程度とされています。高負荷な使用が多い場合は、劣化が早まる可能性があります。予防的に5年程度での交換を検討すると、突然の故障を防げます。


よくある質問(FAQ)

Q1: 昨日まで普通に使えていたのに、今日突然電源が入らなくなりました。故障ですか?

必ずしも故障とは限りません。静電気の帯電、電源ケーブルの緩み、電源タップの問題など、簡単に解決できる原因も多いです。まずは本記事の対処法を上から順番に試してみてください。特に放電作業は効果が高いのでおすすめです。

Q2: 電源は入るけど、数秒で落ちてしまいます。原因は何ですか?

主な原因としては、電源ユニットの容量不足・故障、CPU・メモリの接触不良、過熱による保護機能の作動などが考えられます。まずはメモリの抜き差しを試し、改善しなければ電源ユニットやCPUの確認に進んでください。

Q3: パソコンから焦げた匂いがします。使い続けても大丈夫ですか?

いいえ、すぐに使用を中止してください。焦げた匂いは、電源ユニットやマザーボード、その他のパーツが損傷している可能性を示しています。使い続けると火災のリスクがあります。電源ケーブルを抜き、専門業者に点検を依頼してください。

Q4: 放電作業で本当に直ることがあるのですか?

はい、意外と多くのケースで効果があります。PC内部のコンデンサに不要な電気が溜まると、起動を妨げることがあります。放電作業はリスクがなく、数分でできるので、必ず試すことをおすすめします。

Q5: 電源ユニットを自分で交換しても大丈夫ですか?

自作PC経験者であれば可能です。ただし、電源ユニットは高電圧を扱う部品なので、作業は必ず電源ケーブルを抜いた状態で行ってください。また、BTOやメーカー製PCの場合は、保証対象外になる可能性があるので注意が必要です。

Q6: 修理に出すと費用はどのくらいかかりますか?

原因となるパーツによって大きく異なります。電源ユニット交換であれば1〜3万円程度、マザーボード交換であれば3〜7万円程度(部品代+工賃)が目安です。まずは見積もりを取ることをおすすめします。保証期間内であれば、無償または低額で対応してもらえる場合もあります。


まとめ:順番に確認して原因を特定しよう

ゲーミングPCの電源がつかない場合の原因と対処法をまとめます。

チェック順確認項目難易度
1電源ケーブル・タップ・コンセントの確認★☆☆
2電源ユニットのスイッチ確認★☆☆
3放電作業★☆☆
4メモリの抜き差し★★☆
5グラフィックボードの抜き差し★★☆
6電源ユニットの動作確認★★★
7マザーボードの目視確認★★☆
8CMOS電池の交換★★☆

まずは簡単なものから

いきなりPCを分解する必要はありません。電源ケーブルの確認、スイッチの確認、放電作業の3つは数分でできて効果も高いです。これだけで解決するケースも多いので、まずはここから始めてください。

それでも解決しない場合は、メモリやグラフィックボードの抜き差しを試し、最終的には電源ユニットやマザーボードの問題を疑います。

パーツの故障が確定した場合や、自分での対処が難しい場合は、保証期間を確認した上でメーカーサポートや修理業者に相談しましょう。