ゲーミングチェアは安いと後悔する？失敗しない選び方と価格の目安
「ゲーミングチェアが欲しいけど、できれば安く済ませたい」
そう思って検索しているあなたに、まず知っておいてほしいことがあります。安いゲーミングチェアを買って後悔している人は、想像以上に多いという現実です。
SNSやレビューサイトを見ると、「半年で座面がペタンコになった」「合皮がボロボロに剥がれた」「腰痛が悪化した」といった声が溢れています。せっかく節約したつもりが、結局買い直しで余計な出費になったというケースも珍しくありません。
この記事では、安いゲーミングチェアで実際に起きている後悔パターンを具体的に紹介し、いくら出せば後悔しないのか、そして予算が限られていても失敗しないための選び方を詳しく解説します。
最後まで読めば、あなたにとって本当にコスパの良いゲーミングチェアが見極められるようになります。
安いゲーミングチェアで後悔する人が続出している理由
ゲーミングチェア市場は近年急速に拡大し、1万円を切る製品から10万円を超えるものまで価格帯は様々です。しかし、安さに惹かれて購入した人の多くが、思わぬ後悔を経験しています。
そもそも「安い」とはいくらを指すのか
ゲーミングチェアの価格帯を整理すると、以下のような分類になります。
1万円以下：激安ゾーン（品質リスク高）
1〜2万円：低価格帯（品質にばらつきあり）
2〜3万円：ミドルレンジ入門
3〜5万円：ミドルレンジ本命
5万円以上：ハイエンド
一般的に「安い」と言われるのは2万円以下の価格帯です。特に1万円以下の製品は、品質面で大きなリスクを伴うとされています。
低価格帯に共通する品質の限界
安いゲーミングチェアがなぜ問題を起こしやすいのか。その理由は製造コストの構造にあります。
チェアの品質を左右する要素として、座面のウレタン密度、フレームの素材と溶接精度、表皮の耐久性、ガスシリンダーの品質などがあります。これらすべてに十分なコストをかけようとすると、最低でも2〜3万円程度は必要になります。
1万円以下の製品では、どこかでコストカットをしなければ利益が出ません。その結果、目に見えにくい部分で品質が犠牲になるのです。
レビューだけでは見抜けない落とし穴
Amazonや楽天のレビューを参考にする人は多いですが、ここに落とし穴があります。
多くのレビューは購入直後に書かれています。届いた時点では座り心地も良く、見た目も満足できるため高評価がつきがちです。しかし、本当の問題は使い始めて3ヶ月〜1年後に現れます。
購入直後のレビューは参考になりにくいことを覚えておきましょう。「1年使用レビュー」「半年後の追記」など、長期使用者の声を重点的にチェックすることが重要です。
安いゲーミングチェアで後悔した7つの実例
実際にどのような後悔が起きているのか、具体的なパターンを見ていきます。
後悔①｜座面のクッションが半年でヘタった
最も多い後悔がこれです。購入時はふかふかだった座面が、数ヶ月で薄く硬くなってしまうケース。
原因は座面に使われるウレタンフォームの密度にあります。高品質なチェアでは密度50〜60kg/m³程度のウレタンが使われますが、安価な製品では30kg/m³以下のものも珍しくありません。
密度が低いウレタンは体重で潰れやすく、復元力も弱いため、へたりが早く進行します。一度へたった座面は元に戻らず、お尻や太ももへの負担が増加します。
後悔②｜合皮がボロボロに剥がれた
ゲーミングチェアの多くはPUレザー（合成皮革）を使用しています。高品質なPUレザーは5年以上持つこともありますが、安価な製品に使われる低品質な合皮は1〜2年で表面が剥がれ始めます。
特に湿気の多い日本の気候は合皮にとって過酷です。夏場の汗や湿気が劣化を早め、ある日突然ポロポロと剥がれ落ちるようになります。
一度剥がれ始めると加速度的に広がり、衣服に付着するようになるため、使い続けることが難しくなります。
後悔③｜リクライニングがガタガタで安定しない
安いゲーミングチェアのリクライニング機構には、品質のばらつきが大きいです。
よくある症状として、リクライニング時にギシギシと異音がする、好みの角度で固定できない、使っているうちに緩んでくるといった問題が報告されています。
リクライニング機構は複雑な構造を持つため、製造精度が低いと不具合が出やすい部分です。特に体重をかけて後ろに倒れる動作は機構への負担が大きく、安価な部品では耐えきれないことがあります。
後悔④｜腰痛・肩こりが悪化した
これは健康に関わる深刻な後悔です。
ゲーミングチェアには腰を支えるランバーサポートが付いていることが多いですが、安価な製品ではクッションが入っているだけで調整機能がないものがあります。体型は人それぞれ異なるため、調整できないランバーサポートは逆に腰に負担をかけることがあります。
出典：厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」によると、座位作業における腰痛予防には適切な腰部支持が重要とされています。
長時間のゲームやデスクワークで腰痛が悪化した場合、医療費やその後の生活への影響を考えると、チェア代の節約は割に合わない結果になりかねません。
後悔⑤｜キャスターが床を傷つけた
意外と見落とされがちなのがキャスターの品質です。
安いチェアに付属するキャスターは硬いプラスチック製のことが多く、フローリングを傷つけやすいです。また、転がりが悪くなったり、動きが重くなったりすることもあります。
床の修繕費用を考えると、チェア本体より高くついたという声も少なくありません。
後悔⑥｜組み立てが困難で部品が合わない
低価格製品では製造精度にばらつきがあり、説明書通りに組み立てられないケースがあります。
ネジ穴の位置がずれている、付属のネジが合わない、部品が欠品しているといったトラブルが報告されています。メーカーサポートも不十分なことが多く、泣き寝入りする人も少なくありません。
後悔⑦｜異音がしてゲームに集中できない
使い始めて数ヶ月後から、座るたびにギシギシ、キーキーと音がするようになるケースがあります。
原因はフレームの溶接不良やガスシリンダーの品質問題が多いです。音がするだけならまだしも、これは構造的な弱さを示すサインでもあり、安全面でも不安が残ります。
後悔しないための価格ライン｜いくら出せば安心か
では、いったいいくら出せば後悔を避けられるのでしょうか。価格帯別の現実を見ていきます。
1万円以下は避けるべき理由
結論から言うと、1万円以下のゲーミングチェアは避けることを強くおすすめします。
この価格帯では、座面のウレタン密度、フレーム強度、素材の耐久性すべてにおいて十分な品質を確保することが困難です。製造コストを考えると、まともな品質の製品を作ることは物理的に難しいのです。
「1年使えればいい」と割り切って購入する人もいますが、1年ごとに1万円を払い続けるなら、最初から3万円の良質なチェアを買った方が長期的にはお得です。
1〜2万円台の現実的な品質
1〜2万円台は最も判断が難しい価格帯です。
この価格帯には、ある程度使える製品と、すぐに壊れる製品が混在しています。見た目だけでは品質の違いがわかりにくく、購入してみないとわからない「ギャンブル」的な要素があります。
1〜2万円台で購入する場合は、メーカーの信頼性と保証内容を特に重視してください。無名ブランドよりも、実績のあるメーカーの入門モデルを選ぶ方がリスクを抑えられます。
3万円台からが「後悔しにくい」ライン
3万円台になると、座面のウレタン密度やフレーム品質が明らかに向上します。
この価格帯からは、1年保証ではなく2〜3年保証を提供するメーカーも増えてきます。メーカー自身が製品の耐久性に自信を持っている証拠です。
長時間座ることが多い人、体への負担を減らしたい人は、3万円台を最低ラインと考えることをおすすめします。
コスパ最強と言われる価格帯の真実
「2万円台でコスパ最強」といった宣伝文句を見かけることがありますが、注意が必要です。
本当にコスパが良いかどうかは、「1年あたりのコスト」で考えるべきです。2万円のチェアが2年しか持たなければ年間1万円のコスト。4万円のチェアが5年持てば年間8千円のコストです。
真のコスパは「価格÷使用年数」で計算しましょう。初期投資だけでなく、どれだけ長く使えるかを含めて判断することが大切です。
安くても後悔しないゲーミングチェアの選び方5つのポイント
予算が限られていても、以下のポイントを押さえれば後悔のリスクを下げられます。
ポイント①｜座面の密度と厚みをチェック
座面のウレタン密度は最も重要な指標の一つです。可能であれば製品仕様で密度を確認してください。
目安として、密度40kg/m³以上、厚み10cm以上あれば、ある程度の耐久性が期待できます。この情報を公開しているメーカーは品質に自信がある傾向にあります。
ポイント②｜フレーム素材と耐荷重を確認
フレームはスチール製が基本です。耐荷重は自分の体重プラス20〜30kgの余裕を持たせましょう。
耐荷重ギリギリで使用するとフレームへの負担が大きくなり、劣化が早まります。
ポイント③｜ランバーサポートの調整機能
腰痛予防のためには、ランバーサポートが上下・前後に調整できるものを選んでください。
単なるクッションタイプではなく、位置や硬さを調整できるタイプが理想です。体型に合わせた調整ができないと、かえって腰に負担がかかることがあります。
ポイント④｜素材は合皮よりファブリックが長持ち
日本の高温多湿な環境では、合皮よりもファブリック（布地）素材の方が長持ちする傾向があります。
合皮は見た目の高級感がありますが、劣化による剥がれのリスクを考えると、ファブリック素材も有力な選択肢です。通気性も良く、夏場の蒸れも軽減されます。
ポイント⑤｜保証期間とメーカー対応
保証期間は製品の耐久性に対するメーカーの自信を表しています。
1年保証のみの製品より、2〜3年保証がある製品を選ぶことで、万が一の際にも安心です。また、日本に正規代理店やサポート窓口があるかも確認しておきましょう。
激安チェアの多くはサポート体制が不十分です。問い合わせ先が明記されていない、対応が日本語でないといったケースもあります。購入前に必ず確認してください。
価格帯別｜後悔しにくいゲーミングチェアの特徴
価格帯ごとに、後悔しにくい製品の特徴をまとめます。
1〜2万円台で選ぶなら
この価格帯で失敗を避けるには、以下の条件を満たす製品を探してください。
| チェック項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| メーカー | 国内での販売実績があるブランド |
| 保証 | 最低1年、できれば2年以上 |
| 素材 | ファブリック素材がおすすめ |
| レビュー | 半年〜1年後のレビューを重視 |
2〜3万円台で選ぶなら
この価格帯になると選択肢が広がります。座面密度やフレーム品質も向上し、長期使用に耐える製品が増えてきます。
アームレストの調整機能（上下・前後・左右・回転）が充実しているか、ヘッドレストの位置調整ができるかなど、細かい機能面もチェックしましょう。
3万円以上の安心ゾーン
3万円以上の製品では、品質面での大きな失敗は少なくなります。
ただし、高ければ必ず良いというわけではありません。ブランドの知名度だけで価格が上乗せされているケースもあるため、製品仕様と保証内容を確認することは変わらず重要です。
よくある質問（FAQ）
同じ価格帯であれば、オフィスチェアの方が座り心地や耐久性に優れる傾向があります。ゲーミングチェアは見た目のデザイン重視、オフィスチェアは人間工学設計重視という違いがあります。長時間の作業が目的なら、オフィスチェアも検討する価値があります。
おすすめしません。座面のへたりや内部パーツの劣化は外見からわかりにくく、購入後すぐに問題が発生するリスクがあります。また、保証も受けられないため、何か問題があっても対応できません。
1万円以下の激安チェアはリスクが高いです。レビューを見る際は「1年後」「半年後」などの長期使用レビューを重点的にチェックしてください。また、出品者の評価やサポート体制も確認することをおすすめします。
体重が80kg以上ある方は特に注意が必要です。安いチェアは耐荷重ギリギリで設計されていることが多く、フレームやガスシリンダーへの負担が大きくなります。耐荷重に余裕がある製品を選ぶか、予算を上げることを検討してください。
まとめ｜安いゲーミングチェアで後悔しないために
安いゲーミングチェアで後悔する人が多い理由と、失敗しないための選び方を解説してきました。
この記事のポイントをまとめると、1万円以下は避けた方が無難です。1〜2万円台は製品選びが重要で、メーカーの信頼性と保証内容を重視してください。3万円台からは後悔リスクが大幅に下がります。選ぶ際は座面密度、フレーム品質、調整機能、素材、保証の5つをチェックしましょう。
「安物買いの銭失い」という言葉がありますが、ゲーミングチェアはまさにこれが当てはまる製品です。毎日何時間も体を預ける家具だからこそ、初期投資を惜しまない方が結果的にお得になります。
予算が厳しい場合は、セール時期を狙う、型落ちモデルを探す、分割払いを利用するなどの方法も検討してみてください。
