「ゲーム実況を録画したら、自分の声だけ小さくて聞こえない…」

ゲーム実況や配信を始めたばかりの人が直面しやすい問題の一つが、マイクの声が小さいことです。ゲーム音は普通に聞こえるのに、自分の声だけが小さくて視聴者に聞き取ってもらえない。せっかくの実況が台無しになってしまいます。

この記事では、ゲーム実況でマイクの声が小さくなる原因と、具体的な対処法を解説します。ハードウェアの調整からソフトウェアの設定まで、段階的に解決できる方法を紹介します。

読み終わるころには、声が小さい原因を特定し、視聴者に聞き取りやすい音声で実況できるようになります。


マイクの声が小さくなる5つの原因

まずは、なぜマイクの声が小さくなるのか、主な原因を理解しましょう。

マイクの入力レベル(ゲイン)が低い

もっとも多い原因は、マイクの入力レベル(ゲイン)が低いことです。

ゲイン(Gain)とは、マイクが拾った音声信号を増幅する度合いのこと。ゲインが低いと、声を拾っても信号が弱いまま処理されるため、音量が小さくなります。

オーディオインターフェースを使用している場合は、インターフェースのゲインつまみを確認してください。USBマイクの場合は、OS側の入力レベル設定が影響します。

マイクと口の距離が遠い

マイクと口の距離が遠すぎると、声が十分に拾えません。

一般的なコンデンサーマイクの場合、口から10〜20cm程度の距離が適切とされています。距離が遠いと、声が小さくなるだけでなく、部屋の反響音やノイズを拾いやすくなります。

マイクの指向性に合っていない位置

マイクには「指向性」という特性があり、音を拾う方向が決まっています。

指向性の種類特徴適切な位置
単一指向性(カーディオイド)正面の音を主に拾うマイクの正面に口を向ける
双指向性前後の音を拾うマイクの前または後ろに口を向ける
無指向性(オムニ)全方向の音を拾うどの方向でも可

多くのゲーム実況用マイクは単一指向性(カーディオイド)です。マイクの正面に向かって話さないと、声が小さくなります。

Windows/Macのマイク設定が低い

OSのマイク入力レベル設定が低いと、声が小さくなります。

Windowsの場合は「サウンド設定」、Macの場合は「システム環境設定」でマイクの入力レベルを確認できます。デフォルトで低く設定されていることがあるため、確認が必要です。

配信ソフトの設定が適切でない

OBS StudioやStreamlabsなどの配信ソフトで、マイクの音量設定が低い場合があります。

配信ソフトでは、マイクの入力レベルとは別に、出力時の音量を調整できます。この設定が低いと、OSやマイクの設定が適切でも、最終的な出力音量が小さくなります。


原因を特定するためのチェックリスト

声が小さい原因を特定するために、段階的にチェックしていきましょう。

ステップ1:マイク単体で録音してみる

まずは、配信ソフトを使わずに、OS標準の録音機能でマイクの音声を確認します。

Windowsの場合

  1. スタートメニューから「ボイスレコーダー」を開く
  2. 録音ボタンを押して、普段の声量で話す
  3. 録音を停止して再生し、音量を確認

Macの場合

  1. 「QuickTime Player」を開く
  2. 「ファイル」→「新規オーディオ収録」を選択
  3. 録音ボタンを押して、普段の声量で話す
  4. 録音を停止して再生し、音量を確認

この段階で声が小さい場合は、マイク本体またはOSの設定に問題があります。声が十分に聞こえる場合は、配信ソフトの設定に問題があります。

ステップ2:OSの設定を確認する

OS標準の録音で声が小さい場合は、OSのマイク設定を確認します。

Windowsの場合

  1. 「設定」→「システム」→「サウンド」を開く
  2. 「入力」セクションで使用しているマイクを選択
  3. 「入力音量」のスライダーを確認(100%に近づける)
  4. 「デバイスのプロパティ」→「追加のデバイスのプロパティ」を開く
  5. 「レベル」タブでマイクの音量を確認

Macの場合

  1. 「システム環境設定」→「サウンド」を開く
  2. 「入力」タブを選択
  3. 使用しているマイクを選択
  4. 「入力音量」のスライダーを確認(右に寄せる)

ステップ3:配信ソフトの設定を確認する

OS標準の録音で声が十分に聞こえる場合は、配信ソフトの設定を確認します。

OBS Studioの場合、「音声ミキサー」でマイクの音量バーを確認してください。声を出したときに、緑〜黄色の範囲で振れていれば適切です。赤い範囲に入ると音割れするため注意が必要です。


声を大きくする具体的な対処法【ハードウェア編】

ハードウェア側で調整できる対処法を解説します。

マイクと口の距離を調整する

マイクと口の距離を近づけることで、声を大きく拾えます。

マイクの種類推奨距離
コンデンサーマイク10〜20cm
ダイナミックマイク5〜15cm
ヘッドセットマイク2〜5cm

マイクを近づけすぎると、「ポップノイズ」(破裂音)が入りやすくなります。ポップガードを使用するか、マイクを口の正面ではなく少し斜めに配置することで軽減できます。

マイクの向きを調整する

マイクの指向性に合わせて、向きを調整しましょう。

単一指向性マイクの場合、マイクの正面(多くの場合、ロゴがある面)に向かって話す必要があります。横や後ろから話すと、声が小さくなります。

オーディオインターフェースのゲインを上げる

オーディオインターフェースを使用している場合は、ゲインつまみを上げてみてください。

ゲインを上げすぎると、ノイズも一緒に増幅されます。声を出したときにメーターが適切な範囲(-12dB〜-6dB程度)に収まるように調整してください。

出典:Focusrite「オーディオインターフェースの設定ガイド」

マイクを買い替える場合の選び方

マイクの性能自体が低い場合は、買い替えを検討することもあります。

ゲーム実況向けマイクの選び方

・感度が高いコンデンサーマイクがおすすめ ・USB接続なら手軽に使える ・オーディオインターフェース+XLRマイクなら音質向上 ・単一指向性(カーディオイド)が周囲のノイズを拾いにくい


声を大きくする具体的な対処法【ソフトウェア編】

ソフトウェア側で調整できる対処法を解説します。

Windowsのマイク設定を調整する

Windowsでマイクの入力レベルを上げる方法です。

Windowsでのマイク設定手順

  1. タスクバーのスピーカーアイコンを右クリック
  2. 「サウンド設定を開く」を選択
  3. 「入力」セクションで使用しているマイクを選択
  4. 「入力音量」を100%に設定
  5. それでも足りない場合は「デバイスのプロパティ」を開く
  6. 「追加のデバイスのプロパティ」→「レベル」タブを開く
  7. 「マイクブースト」があれば有効にする(+10dB〜+30dB)

マイクブーストを使用すると、ノイズも増幅されます。ノイズが気になる場合は、マイクブーストは控えめにして、配信ソフト側で調整することをおすすめします。

Macのマイク設定を調整する

Macでマイクの入力レベルを上げる方法です。

Macでのマイク設定手順

  1. 「システム環境設定」を開く
  2. 「サウンド」を選択
  3. 「入力」タブを選択
  4. 使用しているマイクを選択
  5. 「入力音量」のスライダーを右に寄せる

OBS Studioでの音声設定

OBS Studioでマイクの音量を調整する方法です。

OBS Studioでの音声設定手順

  1. OBS Studioを起動
  2. 「音声ミキサー」でマイクの音量バーを確認
  3. マイクの歯車アイコンをクリック→「プロパティ」を選択
  4. 「音量」スライダーを調整(0dBを超えないように)
  5. それでも足りない場合は「フィルター」を使用

音声ミキサーのメーターで、声を出したときに緑〜黄色の範囲(-20dB〜-6dB程度)に収まるのが理想的です。

フィルターを活用する(コンプレッサー・ゲイン)

OBS Studioのフィルター機能を使うと、より細かく音量を調整できます。

ゲインフィルターの設定手順

  1. 音声ミキサーでマイクの歯車アイコンをクリック
  2. 「フィルター」を選択
  3. 「+」ボタンをクリック→「ゲイン」を追加
  4. ゲインの値を調整(+3dB〜+10dB程度から試す)

コンプレッサーとは、大きい音を抑えて小さい音を持ち上げることで、音量を均一化するエフェクト。声の大小の差が大きい場合に有効です。

コンプレッサーフィルターの設定手順

  1. 音声ミキサーでマイクの歯車アイコンをクリック
  2. 「フィルター」を選択
  3. 「+」ボタンをクリック→「コンプレッサー」を追加
  4. 以下の設定を参考に調整
    • 比率(Ratio):4:1〜6:1
    • しきい値(Threshold):-20dB〜-15dB
    • アタック:5〜10ms
    • リリース:50〜100ms
    • 出力ゲイン:必要に応じて調整


声を大きくしすぎると起きる問題

声を大きくしようとするあまり、やりすぎると別の問題が発生します。

音割れ(クリッピング)

ゲインを上げすぎると、音割れ(クリッピング)が発生します。

クリッピングとは、音声信号が処理できる上限を超えたときに発生する歪み。「バリバリ」「ビリビリ」といった不快な音になり、視聴者にとって聞きづらくなります。

OBSの音声ミキサーで、メーターが赤い範囲に入らないように注意してください。赤い範囲に入る場合は、ゲインを下げる必要があります。

ノイズの増幅

ゲインを上げると、声だけでなくノイズも増幅されます。

キーボードの打鍵音、エアコンの音、部屋の反響音など、普段は気にならない音がはっきり聞こえるようになることがあります。

ノイズが気になる場合は、OBSの「ノイズ抑制」フィルターを使用するか、マイクの位置や環境を見直してください。

適切な音量の目安

ゲーム実況での適切な音量の目安は以下のとおりです。

音声の種類推奨レベル(OBSメーター)
マイク(声)-12dB〜-6dB(ピーク時)
ゲーム音-18dB〜-12dB
BGM-24dB〜-18dB

声がゲーム音より少し大きいくらいが、視聴者にとって聞き取りやすいバランスです。録画・配信前に、実際に録音して確認することをおすすめします。


よくある質問(FAQ)

Q. USBマイクでもゲインを調整できますか?

A. USBマイク自体にはゲインつまみがないことが多いですが、OSの入力レベル設定や配信ソフトのゲインフィルターで調整できます。一部のUSBマイクには、本体にゲインつまみがついているものもあります。

Q. マイクの感度が低いのは故障ですか?

A. 必ずしも故障とは限りません。マイクの種類によって感度は異なります。ダイナミックマイクはコンデンサーマイクより感度が低い傾向があります。設定を調整しても改善しない場合は、別のマイクで試してみてください。

Q. ヘッドセットのマイクでも声を大きくできますか?

A. はい、OSの入力レベル設定や配信ソフトのゲインフィルターで調整できます。ただし、ヘッドセットのマイクは性能が限られていることが多いため、本格的な実況には専用マイクの購入を検討してもよいでしょう。

Q. ゲインを上げるとホワイトノイズがひどくなります。どうすればいいですか?

A. ゲインを上げすぎている可能性があります。まずはマイクと口の距離を近づけて、ゲインを下げてみてください。それでも改善しない場合は、OBSの「ノイズ抑制」フィルターを使用するか、マイク自体を見直すことを検討してください。

Q. コンプレッサーとゲイン、どちらを先にかけるべきですか?

A. 一般的には、ノイズ抑制→ゲイン→コンプレッサーの順番が推奨されます。ゲインで基本的な音量を調整し、コンプレッサーで音量の大小を均一化する流れです。


まとめ

ゲーム実況でマイクの声が小さい原因と対処法について解説しました。

・声が小さい主な原因は、ゲインの設定、マイクとの距離、指向性、OS設定、配信ソフト設定
・まずはOS標準の録音機能で原因を切り分ける
・マイクと口の距離は10〜20cm程度が目安
・OSの入力レベルを100%に設定し、必要に応じてマイクブーストを使用
・OBSではゲインフィルターやコンプレッサーで調整可能
・音割れ(クリッピング)を避けるため、メーターが赤い範囲に入らないように注意

まずは原因を特定するために、ステップ1〜3のチェックリストを試してみてください。

原因がわかれば、対処法は明確です。ハードウェアの調整で改善しない場合は、ソフトウェアのゲインやコンプレッサーを活用しましょう。適切な音量設定で、視聴者に聞き取りやすい実況を目指してください。