「朝起きてシャワーを浴びようとしたら、お湯が出ない…」 「水は普通に出るのに、なぜかお湯だけ出てこない」
冬の寒い朝、こんな状況に直面して焦っていませんか?
気温が氷点下まで下がる冬場は、給湯器のトラブルが最も多発する季節です。特に「水は出るのにお湯だけ出ない」という症状は、冬特有の原因であることが多く、正しく対処すれば自分で解決できるケースも少なくありません。
この記事では、冬にお湯が出なくなる主な原因5つと、それぞれの対処法を詳しく解説します。また、やってはいけないNG行動や、業者を呼ぶべき判断基準、さらには今後のトラブルを防ぐ予防策までお伝えします。
今まさにお湯が出なくて困っている方も、この記事を読めば適切な対処ができるようになります。
冬に「水は出るのにお湯が出ない」主な原因5つ
水は出るのにお湯だけ出ないという症状は、水道管ではなく給湯器側に問題があることを示しています。冬場に多い原因を優先度順に解説します。
原因①給湯器内部の配管凍結
冬場に最も多い原因が、給湯器内部や給水管の凍結です。
気温が氷点下になると、給湯器に接続されている配管内の水が凍ってしまい、お湯を作るための水が給湯器に供給されなくなります。この場合、蛇口をひねっても水もお湯も出ないか、チョロチョロとしか出ない状態になります。
一方で、水道管自体が凍結していない場合は、水は通常通り出ます。これは、給湯器に向かう配管だけが凍結しているためです。
凍結が起きやすい条件:
- 外気温が氷点下(特に-4℃以下)
- 給湯器が屋外に設置されている
- 前日から水を使っていなかった
- 風が強く、給湯器が吹きさらしの場所にある
出典:一般社団法人 日本ガス石油機器工業会「給湯器の凍結について」
原因②給湯器の安全装置が作動している
給湯器には、異常を検知すると自動的に運転を停止する安全装置が搭載されています。
冬場は急激な温度変化や、凍結によるセンサー異常などで安全装置が作動することがあります。この場合、給湯器のリモコンにエラーコードが表示されていることが多いです。
エラーコードは機種によって異なりますが、代表的なものとして「111」「112」「113」などの点火不良系エラーや、「632」「032」などの凍結防止関連のエラーがあります。
原因③ガスの供給停止(ガス切れ・安全装置)
ガス給湯器の場合、ガスの供給が止まっているとお湯を沸かすことができません。
考えられる原因:
- プロパンガスの残量切れ
- ガスメーターの安全装置が作動(地震後など)
- ガス料金の未払いによる供給停止
- ガス栓が閉まっている
特に、2024年1月に発生した能登半島地震以降、震度5弱程度の地震でガスメーターの安全装置が作動するケースが報告されています。
原因④給湯器の故障・寿命
給湯器の一般的な寿命は10〜15年とされています。
長期間使用している給湯器は、内部部品の劣化により、寒い時期に不具合が出やすくなります。特に、バーナーや熱交換器の故障は、お湯が出ない直接的な原因となります。
| 使用年数 | 状態の目安 |
| 5年未満 | 故障は少ない。凍結など外的要因の可能性大 |
| 5〜10年 | 部品の劣化が始まる。修理で対応可能なことが多い |
| 10〜15年 | 故障リスクが高まる。修理か交換かの判断が必要 |
| 15年以上 | いつ故障してもおかしくない。交換を推奨 |
原因⑤リモコンや電源のトラブル
意外と見落としがちなのが、リモコンや電源のトラブルです。
給湯器は電気を使って制御されているため、以下のような電気系統のトラブルでもお湯が出なくなります。
- リモコンの電源が切れている
- 給湯器のブレーカーが落ちている
- コンセントが抜けている
- リモコンの故障
【原因別】今すぐできる対処法と手順
原因がわかったら、適切な対処を行いましょう。ここでは、原因別の具体的な対処手順を解説します。
凍結が原因の場合の解凍方法
凍結が原因と考えられる場合、以下の手順で対処してください。
【凍結時の対処手順】
①まず、給湯器のリモコンの電源を「切」にする
②蛇口を少しだけ開けておく(お湯側)
③自然解凍を待つ(気温が上がる日中まで待機)
④急ぐ場合は、凍結部分にぬるま湯(30〜40℃程度)をかける ※配管にタオルを巻いてからぬるま湯をかけると効果的
⑤お湯が出るようになったら、リモコンの電源を入れて動作確認
熱湯は絶対にかけないでください。急激な温度変化で配管が破裂する恐れがあります。
多くの場合、日中の気温上昇とともに自然に解凍されます。一般社団法人日本ガス石油機器工業会も、まずは自然解凍を待つことを推奨しています。
安全装置作動時のリセット方法
給湯器のリモコンにエラーコードが表示されている場合は、以下の手順でリセットを試みてください。
【エラーリセットの手順】
①リモコンの電源を「切」にする
②給湯器本体の電源プラグを抜く(またはブレーカーを切る)
③約10秒待つ
④電源プラグを差し込む(またはブレーカーを入れる)
⑤リモコンの電源を「入」にする
⑥お湯を出して動作確認
リセットしてもエラーが解消されない場合や、同じエラーが繰り返し出る場合は、給湯器本体の故障が疑われます。
ガス供給停止時の確認手順
ガスの供給が止まっている可能性がある場合は、以下を確認してください。
【ガス確認の手順】
①ガスコンロが点火するか確認 →点火しない場合はガス供給停止の可能性大
②ガスメーターを確認 →赤いランプが点滅していたら安全装置が作動中
③ガスメーターの復帰ボタンを押す ※機種により操作方法が異なるため、メーター記載の説明を確認
④ガス栓が開いているか確認
⑤プロパンガスの場合は残量を確認
ガスメーターの復帰操作を行っても改善しない場合は、ガス会社に連絡してください。
リモコン・電源トラブルの対処法
電気系統のトラブルが疑われる場合は、基本的な確認から始めましょう。
- リモコンの電源が「入」になっているか確認
- 給湯器用のブレーカーが落ちていないか確認
- コンセントが抜けていないか確認
- リモコンの表示が消えている場合は電池交換(電池式の場合)
これらを確認しても改善しない場合は、リモコンまたは給湯器本体の故障の可能性があります。
絶対にやってはいけないNG行動3つ
お湯が出ないと焦ってしまいますが、間違った対処は状況を悪化させます。以下のNG行動は絶対に避けてください。
熱湯をかけて急激に解凍する
最も多い間違いが、凍結した配管に熱湯をかけることです。
冷え切った配管に100℃近い熱湯をかけると、急激な温度変化により配管が膨張し、破裂や亀裂の原因になります。配管が破損すると、解凍後に水漏れが発生し、さらに大きな修理費用がかかることになります。
NG:沸騰したお湯を配管に直接かける OK:30〜40℃程度のぬるま湯を、タオルを巻いた上からゆっくりかける
自分で給湯器を分解する
お湯が出ない原因を調べようと、給湯器のカバーを外したり、内部を触ったりするのは危険です。
ガス給湯器は、不適切な取り扱いによりガス漏れや火災の原因となる可能性があります。また、自分で分解すると、メーカー保証の対象外となってしまうこともあります。
内部の確認や修理は、必ず専門の業者に依頼してください。
凍結した状態で無理に使い続ける
配管が凍結している状態で、何度も給湯器を動作させようとするのは避けてください。
凍結により水が供給されない状態でバーナーが点火すると、空焚きとなり、給湯器の故障や最悪の場合は火災につながる恐れがあります。
お湯が出ない場合は、まず原因を特定し、凍結が解消してから再度使用するようにしましょう。
自分で対処できる場合・業者を呼ぶべき場合の判断基準
対処法を試しても改善しない場合、業者への依頼を検討する必要があります。ここでは、判断基準を明確にお伝えします。
自己対処で解決できるケース
以下のケースは、業者を呼ばずに自分で解決できる可能性が高いです。
- 凍結が原因で、自然解凍またはぬるま湯で解凍できた
- ガスメーターの安全装置が作動しており、復帰操作で改善した
- リモコンの電源が切れていただけだった
- ブレーカーが落ちていた
- エラーリセットで正常に動作するようになった
すぐに業者に連絡すべきケース
以下のケースは、自己対処では解決できない可能性が高いため、早めに専門業者に連絡してください。
- 上記の対処法をすべて試しても改善しない
- エラーコードがリセットしても繰り返し表示される
- 給湯器から異音や異臭がする
- 給湯器や配管から水漏れが発生している
- 給湯器の使用年数が10年を超えている
- ガス臭い(この場合はすぐにガス会社に連絡)
特に、ガス臭い場合は危険ですので、窓を開けて換気し、火気厳禁の状態でガス会社の緊急窓口に連絡してください。
業者選びのポイントと費用相場
業者に依頼する場合、以下のポイントを確認しましょう。
| 確認項目 | 内容 |
| 対応スピード | 最短でいつ来てもらえるか(即日対応可能か) |
| 見積もり | 事前見積もりは無料か、出張費はかかるか |
| 資格・実績 | ガス機器設置のスペシャリストが在籍しているか |
| 料金体系 | 修理費用の目安、追加料金の有無 |
| 保証 | 修理後の保証期間はあるか |
修理費用の相場は、症状や機種によって大きく異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
- 軽微な修理(部品交換など):1万〜3万円程度
- 中程度の修理(熱交換器など):3万〜7万円程度
- 給湯器本体の交換:15万〜35万円程度(機種による)
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冬の給湯器トラブルを防ぐ予防策
今回のトラブルが解決したら、今後同じことが起きないよう予防策を講じましょう。
凍結防止のための5つの対策
冬場の凍結を防ぐために、以下の対策を実践してください。
①凍結予防運転を活用する 多くの給湯器には、凍結を防ぐ自動運転機能が搭載されています。冬場はリモコンの電源を入れたままにしておくと、自動的に凍結防止運転が作動します。
②水を少量出し続ける 氷点下が予想される夜は、お湯側の蛇口から4mm程度(鉛筆の芯くらいの太さ)の水を出し続けると凍結を防げます。
③配管に保温材を巻く 屋外の給湯器配管に保温材(ホームセンターで購入可能)を巻くと、凍結リスクを大幅に軽減できます。
④給湯器周辺の風よけを設置する 給湯器が風にさらされる場所にある場合は、風よけの板などを設置すると効果的です。
⑤長期不在時は水抜きをする 冬場に長期間家を空ける場合は、給湯器の水抜きを行いましょう。方法は取扱説明書を確認してください。
給湯器の寿命サインを見逃さない
給湯器が寿命に近づくと、以下のようなサインが現れることがあります。
- お湯の温度が安定しない(熱くなったり冷たくなったりする)
- 異音がする(ボンッという着火音が大きくなるなど)
- 給湯に時間がかかるようになった
- エラーが頻繁に出るようになった
- 本体から水漏れがある
- 排気口から黒い煤が出ている
これらのサインが見られたら、故障する前に点検・交換を検討することをおすすめします。真冬に完全に故障してしまうと、交換までの数日間お湯が使えないという事態になりかねません。
定期的なメンテナンスの重要性
給湯器は、年に1回程度の点検を行うことで、故障リスクを軽減し、寿命を延ばすことができます。
特に使用年数が10年を超えている場合は、専門業者による点検を受けておくと安心です。点検では、バーナーの状態、配管の劣化、安全装置の動作確認などを行ってもらえます。
賃貸住宅の場合の対応方法
賃貸住宅にお住まいの方は、対応方法が持ち家とは異なります。
まず管理会社・大家さんに連絡
賃貸住宅で給湯器のトラブルが発生した場合は、まず管理会社または大家さんに連絡してください。
賃貸物件の設備(給湯器など)は、基本的に大家さんの所有物です。勝手に修理業者を呼んでしまうと、後からトラブルになることがあります。
連絡する際は、以下の情報を伝えるとスムーズです:
- 症状(水は出るがお湯が出ない)
- いつから発生しているか
- 給湯器のエラー表示(ある場合)
- 自分で試した対処法
費用負担は誰がするのか
給湯器の修理・交換費用は、原則として大家さん(貸主)の負担となります。
これは、民法第606条に定められた「賃貸人の修繕義務」に基づくものです。ただし、入居者の故意や過失による故障の場合は、入居者負担となることもあります。
緊急を要する場合(真冬でお湯が全く使えないなど)は、管理会社の了承を得た上で、入居者が修理を手配し、後から費用を請求できるケースもあります。事前に確認しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
外気温によりますが、一般的に気温が0℃以上になれば数時間〜半日程度で自然解凍されます。ぬるま湯をかける場合は、30分〜1時間程度で解凍できることが多いです。ただし、配管の長さや凍結の程度によっては、さらに時間がかかることもあります。
給湯器のエラーコードは、メーカーの公式サイトで確認できます。リンナイ、ノーリツ、パロマなど主要メーカーは、エラーコード一覧をウェブサイトで公開しています。また、取扱説明書にも記載されていますので、確認してみてください。
緊急的な対処として、やかんやポットでお湯を沸かし、水で薄めてぬるま湯を作る方法があります。また、近くの銭湯やスーパー銭湯を利用するのも一つの選択肢です。コインランドリーのシャワーを利用できる場合もあります。
使用年数が10年を超えている場合は、交換を検討することをおすすめします。10年以上経過した給湯器は、修理しても他の部品が故障するリスクが高く、修理費用がかさむことがあります。また、新しい給湯器は省エネ性能が向上しているため、ランニングコストの削減も期待できます。
はい、効果的です。凍結防止ヒーターは、配管に巻き付けて使用する電熱線で、凍結しやすい配管部分を温めて凍結を防ぎます。ホームセンターで購入でき、DIYでも取り付けられます。ただし、電気代が多少かかる点はご注意ください。
まとめ:冬のお湯トラブルは原因を見極めて適切に対処しよう
冬に「水は出るのにお湯が出ない」場合の原因と対処法をおさらいしましょう。
【主な原因5つ】
- 給湯器内部の配管凍結(最も多い)
- 給湯器の安全装置が作動
- ガスの供給停止
- 給湯器の故障・寿命
- リモコンや電源のトラブル
【自己対処のポイント】
- 凍結は自然解凍を基本に、急ぐ場合はぬるま湯で
- エラーコードはリセットを試す
- ガスメーターの安全装置を確認
- 熱湯での解凍、分解は絶対NG
【業者を呼ぶ判断基準】
- 対処法を試しても改善しない
- エラーが繰り返し出る
- 異音・異臭・水漏れがある
- 使用年数が10年を超えている
冬場の給湯器トラブルは、多くの場合、凍結が原因です。落ち着いて原因を特定し、適切な対処を行えば、自分で解決できるケースも少なくありません。
ただし、原因がわからない場合や、上記の対処法を試しても改善しない場合は、無理せず専門業者に相談することをおすすめします。特に給湯器の使用年数が長い場合は、これを機に点検や交換を検討してみてはいかがでしょうか。
今後のトラブルを防ぐためにも、凍結防止対策と定期的なメンテナンスを心がけてください。
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