「スマートウォッチを買った一番の理由はLINEの通知を受け取るためだったのに、うんともすんとも言わない…」
「電話の通知は来るのに、なぜかLINEだけが来ない…」
せっかく便利なガジェットを手に入れたのに、これではただのデジタル時計です。実は、スマートウォッチの通知トラブルは、ウォッチの故障である可能性は極めて低いです。
9割以上の原因は、スマホ側の「セキュリティ設定」や「省電力機能」が、ウォッチへの通知転送をブロックしていることにあります。
この記事では、Apple Watchから3,000円の中華製スマートウォッチまで、あらゆる機種に対応した「LINE通知を強制的に復活させる手順」を、iPhoneとAndroidに分けて徹底解説します。
この記事で解決できる症状
- ウォッチが振動しない、画面も光らない
- 「新着メッセージがあります」とだけ表示され、内容が読めない
- アプリを開いている時だけ通知が来ない
- しばらくすると勝手に通知が来なくなる
【共通】まずは30秒で終わる「基本のキ」チェック
設定の深沼にハマる前に、意外と見落としがちな物理的なスイッチを確認しましょう。
1. 「おやすみモード(DND)」になっていないか?
スマートウォッチの画面を上から下、または下から上にスワイプしてみてください。「月のマーク(🌙)」が点灯していませんか?
これがONになっていると、通知はすべて遮断されます。寝ている間に誤って触ってONにしてしまうケースが非常に多いです。
2. Bluetoothは「接続済み」か?
スマホのBluetooth設定画面を見て、ウォッチが「接続済み」になっているか確認してください。未接続の場合は、ウォッチ専用アプリ(Da Fit, GloryFit, Mi Fitnessなど)を開き、同期し直してください。
【iPhoneユーザー】最大の罠は「プレビュー表示」の設定
iPhoneを使っている方で通知が来ない原因のNo.1はこれです。iOSの仕様上、「ロック画面に内容を表示する設定」になっていないと、外部機器(ウォッチ)に通知データを渡さないという鉄の掟があります。
必須設定:プレビュー表示を許可する
以下の2箇所を必ず確認してください。ここが「しない」になっていると、絶対に通知は来ません。
- iPhone本体の設定:
「設定」>「通知」>「LINE」>「プレビューを表示」を「常に」または「ロックされていない時のみ」にする。
※「しない」になっているとNGです。 - 通知センターへの許可:
同じ画面で、「通知センター」のチェックマークが入っているか確認してください。ここがOFFだとウォッチに転送されません。
Bluetoothの「システム通知を共有」をONにする
Apple Watch以外のスマートウォッチ(Pixel Watch、Garmin、格安ウォッチ等)を使っている場合、この設定が必須です。
- iPhoneの「設定」>「Bluetooth」を開く。
- 接続しているウォッチの右にある「i」マークをタップ。
- 「システム通知を共有」をON(緑色)にする。
これをONにした後、一度Bluetoothを切って繋ぎ直すと改善することが多いです。
【Androidユーザー】敵は「バッテリー最適化」機能
Androidの場合、スマホが賢すぎて「バックグラウンドで動いているウォッチ管理アプリを勝手に停止させる」ことが原因の大半を占めます。
重要:アプリを殺さない設定にする
機種(Galaxy, Pixel, AQUOS, Xiaomi等)によってメニュー名は異なりますが、やることは同じです。
1. バッテリーの最適化(制限)を解除する
- 「設定」>「アプリ」>ウォッチ管理アプリ(Da FitやHuawei Healthなど)を選択。
- 「バッテリー」または「アプリのバッテリー使用量」をタップ。
- 設定を「制限なし」「最適化しない」「高パフォーマンス」のいずれかに変更する。
ここが「最適化する」になっていると、スマホの画面を消してしばらくするとウォッチとの通信が切断されます。
2. 「通知へのアクセス」を許可する
Androidは、アプリが通知内容を読み取るために特別な権限が必要です。
- 「設定」の検索窓で「通知へのアクセス」または「デバイスとアプリの通知」と検索。
- リストの中から、お使いのウォッチ管理アプリを探す。
- スイッチをONにして「許可」する。
【盲点】LINEアプリ側の「隠れ設定」を確認する
スマホの設定が完璧でも、LINEアプリ自体が通知を出さない設定になっていると意味がありません。
1. 「PC版/iPad版利用時の通知オフ」を解除
パソコンやiPadでもLINEを使っていませんか?
LINEアプリの「設定(歯車)」>「通知」の中に、「PC利用時にスマホへの通知を一時停止」のような項目があります。これがONになっていると、PCで作業中はウォッチにも通知が来なくなります。これをOFFにしてください。
2. 個別のトークルームが「通知オフ」になっていないか
特定の人のLINEだけ来ない場合、その人とのトークルーム一覧で「スピーカーに斜線が入ったマーク」が出ていないか確認してください。長押しして「通知オン」に戻しましょう。
ウォッチ管理アプリ(Da Fit, GloryFit等)の設定
Apple Watch以外のほとんどのスマートウォッチは、専用の「管理アプリ」を介して通知を受け取ります。このアプリ内の設定がOFFになっているケースも多いです。
体験談:アプリ内のスイッチが勝手に切れていた
私が使っているXiaomiのスマートウォッチで、アプリのアップデート後に設定がリセットされ、LINE通知のスイッチだけがOFFに戻っていたことがありました。「設定したはず」と思い込まず、アプリを開いて再確認することをお勧めします。
確認手順(例):
- スマホで管理アプリを開く。
- 「デバイス」「時計」などのタブを選択。
- 「通知」「メッセージ通知」「アプリ通知」などの項目をタップ。
- リストの中にある「LINE」のスイッチをONにする。
- もし「LINE」という項目がない場合は、「その他(Other)」をONにしてみてください。
それでも直らない場合の「最終手段」
ここまで全て試しても通知が来ない場合、以下のイレギュラーな原因が考えられます。
1. ウォッチのファームウェアを更新・リセットする
ウォッチのシステム自体にバグがある可能性があります。管理アプリから「ファームウェアアップデート」を確認してください。それでもダメなら、ウォッチ側で「設定」>「初期化(リセット)」を行い、最初からペアリングし直すと直ることがあります。
2. スマホの「集中モード」や「ゲームモード」
特定の時間帯や、ゲーム中だけ通知が来ない場合、スマホの「集中モード(おやすみモードの派生)」が作動している可能性があります。設定からスケジュールを確認してください。
3. そもそも相性が悪い(買い替えの検討)
Amazonで売られている2,000円〜4,000円程度の激安スマートウォッチの中には、アプリの作りが粗悪で、特定のOSアップデートに対応できなくなるものが存在します。
通知機能は生活の利便性に直結するため、ストレスを感じ続けるくらいなら、ソフトウェア開発力が高いメーカーへの乗り換えをおすすめします。
通知が確実に欲しい人へのおすすめ機種
- iPhoneユーザー:Apple Watch SE(最強の安定性)
- Androidユーザー:Pixel Watch, Galaxy Watch
- コスパ重視(両対応):Xiaomi Smart Band 8 / 9(5,000円台だがアプリの完成度が非常に高い)
Q. LINE電話(着信)の通知だけ来ません。
- A. メッセージは来るのに着信だけ来ない場合、ウォッチの仕様である可能性が高いです。多くの格安スマートウォッチは、LINEの「メッセージ通知」には対応していても、「通話着信」のプロトコルに対応していません。これは設定では直せず、対応している上位機種(Apple WatchやHuawei Watchなど)が必要です。
Q. 「新着メッセージがあります」としか表示されません。
- A. これはiPhoneユーザー特有の現象です。記事内の「プレビュー表示」の設定を「ロックされていない時のみ」ではなく「常に」に変更してみてください。また、LINEアプリ内の設定で「メッセージ内容を表示」がONになっているかも確認してください。





















