「海外旅行でネットを使いたいけど、ポケットWiFiと現地SIM、どっちがいいんだろう?」
海外でスマホを使うための選択肢はいくつかありますが、どれを選べばいいか迷う人は多いです。料金、手軽さ、通信品質など、比較するポイントが多くて判断が難しいですよね。
この記事では、海外でネットを使う主な方法であるポケットWiFi、現地SIM、eSIMの3つを徹底比較します。それぞれのメリット・デメリット、料金の目安、向いている人のタイプまで詳しく解説します。
読み終わるころには、あなたの旅行スタイルに合った最適な選択肢がわかり、安心して海外旅行の準備を進められるようになります。
ポケットWiFi・現地SIM・eSIMの違いを理解しよう
まずは、それぞれの選択肢がどのようなものか、基本を押さえておきましょう。
ポケットWiFi(海外用レンタル)とは
ポケットWiFiは、海外で使えるモバイルルーターをレンタルするサービスです。
日本の空港や自宅で端末を受け取り、渡航先で電源を入れるだけでWi-Fiに接続できます。スマホやパソコン、タブレットなど複数の端末を同時に接続できるのが特徴です。
代表的なサービスには、グローバルWiFi、イモトのWiFi、WiFiBOXなどがあります。1日単位でレンタルでき、データ容量に応じたプランを選べます。
現地SIMとは
現地SIMは、渡航先の国で販売されているSIMカードを購入し、自分のスマホに挿入して使う方法です。
現地の通信会社の回線を直接利用するため、通信品質が安定しやすく、料金も比較的安価です。空港や街中のショップ、コンビニなどで購入できます。
ただし、SIMカードを交換する必要があるため、SIMフリーのスマホであることが条件です。
eSIMとは
eSIMは、物理的なSIMカードを使わず、スマホに内蔵されたチップに通信情報を書き込む方式です。
オンラインで購入し、QRコードを読み取るだけで設定が完了します。物理SIMの交換が不要なため、日本のSIMを入れたまま海外の通信プランを追加できます。
eSIMはiPhone XS以降、Google Pixel 3以降など、比較的新しいスマホで対応しています。自分のスマホがeSIM対応かどうか、事前に確認が必要です。
ポケットWiFiのメリット・デメリット
ポケットWiFiの特徴を詳しく見ていきましょう。
メリット
・複数人でシェアできる(家族やグループ旅行に最適) ・スマホの設定変更が不要(電源を入れてWi-Fi接続するだけ) ・日本語サポートが充実している ・データ容量を気にせず使えるプランがある ・SIMフリーでないスマホでも使える
特に大きいのは、複数人でシェアできる点です。1台のポケットWiFiを4〜5人で共有すれば、1人あたりのコストを大幅に抑えられます。
また、SIMカードの交換やスマホの設定が不要なため、機械が苦手な人でも安心して使えます。
デメリット
・端末を持ち歩く必要がある ・充電が必要(バッテリー切れのリスク) ・1人で使う場合は割高になりやすい ・返却の手間がある ・端末の紛失・破損リスクがある
ポケットWiFiは、スマホとは別に端末を持ち歩く必要があります。荷物が増える上、バッテリーの管理も必要です。
また、1人旅の場合は、現地SIMやeSIMと比べて割高になることが多いです。
ポケットWiFiの端末を紛失・破損した場合、弁償金が発生することがあります。補償オプションへの加入を検討しましょう。
現地SIMのメリット・デメリット
現地SIMの特徴を詳しく見ていきましょう。
メリット
・料金が安い(特に長期滞在で有利) ・現地の電話番号が使える ・通信品質が安定しやすい ・荷物が増えない ・データ容量が大きいプランが多い
現地SIMの最大のメリットは料金の安さです。特に1週間以上の滞在では、ポケットWiFiよりも大幅に安くなることがあります。
また、現地の電話番号が付与されるため、現地での予約確認や緊急連絡に便利です。
デメリット
・SIMフリーのスマホが必要 ・SIMカードの交換が必要(紛失リスク) ・現地での購入・設定が必要 ・言語の壁がある場合がある ・複数人でのシェアができない
現地SIMを使うには、SIMフリーのスマホが必要です。また、SIMカードを交換する際に、日本のSIMカードを紛失しないよう注意が必要です。
現地での購入時に言語の壁がある場合もあります。ただし、観光地の空港では英語や日本語が通じることも多いです。
eSIMのメリット・デメリット
近年注目されているeSIMの特徴を見ていきましょう。
メリット
・オンラインで購入・設定が完了(出発前に準備できる) ・物理SIMの交換が不要 ・日本のSIMを入れたまま使える(デュアルSIM) ・荷物が増えない ・到着後すぐに使える
eSIMの最大のメリットは、出発前にオンラインで購入・設定が完了する手軽さです。現地に到着した瞬間から通信が使えます。
また、日本のSIMカードを入れたまま使えるため、日本の電話番号での着信も受けられます(データローミングをオフにしておけば高額請求を避けられます)。
出典:総務省「電気通信事業分野における競争ルール等の包括的検証」
デメリット
・対応スマホが限られる ・複数人でのシェアができない ・設定に多少の知識が必要 ・電話番号が付かないプランが多い ・トラブル時のサポートが限定的
eSIMは対応スマホが限られます。古いスマホや一部の格安スマホでは対応していないため、事前確認が必須です。
また、QRコードの読み取りやAPN設定など、多少の設定作業が必要です。機械が苦手な人には少しハードルが高いかもしれません。
料金・通信速度・手軽さを徹底比較
3つの選択肢を、料金・通信速度・手軽さの観点で比較してみましょう。
料金の比較
1週間の海外旅行を想定した場合の料金目安です。
| 選択肢 | 1週間の料金目安 | 1日あたり |
|---|---|---|
| ポケットWiFi | 5,000円〜10,000円 | 700円〜1,500円 |
| 現地SIM | 1,000円〜3,000円 | 150円〜450円 |
| eSIM | 1,500円〜4,000円 | 200円〜600円 |
ポケットWiFiは複数人でシェアすると1人あたりのコストが下がります。4人でシェアすれば、1人あたり1日200円〜400円程度になることも。
料金だけで見ると、現地SIMがもっとも安価です。ただし、購入の手間や設定の難易度も考慮する必要があります。
通信速度の比較
| 選択肢 | 通信速度の傾向 |
|---|---|
| ポケットWiFi | サービスにより異なる。4G対応が主流で安定した速度 |
| 現地SIM | 現地キャリアの回線を直接利用。通信品質が高い傾向 |
| eSIM | 提供元により異なる。現地キャリアと提携しているものは高速 |
通信速度は、現地SIMがもっとも安定しやすい傾向があります。現地の通信会社の回線を直接利用するためです。
ポケットWiFiやeSIMは、提供元のサービス品質によって速度が異なります。口コミや評判を確認してから選ぶことをおすすめします。
手軽さの比較
| 選択肢 | 準備の手間 | 現地での手間 |
|---|---|---|
| ポケットWiFi | オンライン予約のみ | 電源を入れるだけ |
| 現地SIM | 事前準備不要(または事前購入可) | 購入・SIM交換・設定が必要 |
| eSIM | オンライン購入・設定 | 設定済みなら不要 |
手軽さではポケットWiFiがもっとも優れています。スマホの設定変更が不要で、電源を入れるだけで使えます。
eSIMは出発前に設定を済ませておけば、現地での手間はありません。ただし、初めての人は設定に少し時間がかかるかもしれません。
現地SIMは、購入場所を探したり、SIMを交換したりする手間がかかります。慣れていない人には少しハードルが高いです。
あなたにおすすめなのはどれ?タイプ別診断
自分に合った選択肢を見つけるために、タイプ別に整理してみましょう。
ポケットWiFiが向いている人
・家族やグループで旅行する ・スマホの設定が苦手 ・SIMフリーでないスマホを使っている ・パソコンやタブレットも一緒に使いたい ・日本語サポートがあると安心 ・短期間(1週間以内)の旅行
複数人でシェアできるため、家族旅行やグループ旅行ではコストパフォーマンスが良くなります。設定不要で使えるため、機械が苦手な人にも最適です。
現地SIMが向いている人
・1人旅で費用を抑えたい ・長期滞在(1週間以上)の予定 ・現地の電話番号が必要 ・SIMカードの交換に抵抗がない ・現地での購入・設定に自信がある ・大容量のデータ通信が必要
1人旅で長期滞在する場合は、現地SIMがもっともコストパフォーマンスに優れています。現地の電話番号が使えるため、レストランの予約やタクシーの手配にも便利です。
eSIMが向いている人
・出発前にすべて準備を済ませたい ・荷物を増やしたくない ・SIMカードの交換が面倒 ・日本の電話番号も使いたい ・eSIM対応のスマホを持っている ・1人旅で手軽に使いたい
eSIMは、手軽さと料金のバランスが良い選択肢です。出発前にオンラインで購入・設定が完了するため、現地での手間がありません。
eSIMを使う場合は、必ず自分のスマホがeSIM対応かどうかを確認してください。iPhoneの場合は「設定」→「一般」→「情報」で確認できます。
渡航先別のおすすめ選択肢
渡航先によって、おすすめの選択肢が変わることがあります。
アジア(韓国・台湾・タイなど)
アジア圏は、現地SIMが非常に充実しています。空港で簡単に購入でき、料金も安価です。
| 国 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 韓国 | eSIM / 現地SIM | 空港での購入が簡単。eSIMも充実 |
| 台湾 | 現地SIM / eSIM | 空港で日本語対応あり。料金が安い |
| タイ | 現地SIM | 非常に安価。空港・コンビニで購入可能 |
| シンガポール | eSIM / 現地SIM | 英語が通じる。購入が簡単 |
アジア圏は短期旅行が多いため、eSIMも人気です。出発前に設定しておけば、到着後すぐに使えます。
ヨーロッパ
ヨーロッパは、EU圏内で共通して使えるSIMやeSIMが便利です。
EU圏内では「ローミング規制」により、1つのSIMで複数の国を移動しても追加料金なしで使えます。周遊旅行に最適です。
| 旅行タイプ | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 1カ国のみ | 現地SIM / eSIM | 現地で購入可能。料金が安い |
| 複数国周遊 | eSIM / ポケットWiFi | 複数国対応のプランが便利 |
| グループ旅行 | ポケットWiFi | シェアでコストダウン |
アメリカ・ハワイ
アメリカは、現地SIMの購入がやや複雑なことがあります。eSIMやポケットWiFiが無難です。
| 渡航先 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| ハワイ | ポケットWiFi / eSIM | 日本人観光客向けサービスが充実 |
| アメリカ本土 | eSIM / ポケットWiFi | 現地SIMは購入場所が限られる |
ハワイは日本人観光客が多いため、ポケットWiFiのサービスが充実しています。日本語サポートもあるので安心です。
オーストラリア
オーストラリアは、現地SIMが非常に充実しています。空港やスーパーで簡単に購入できます。
| 滞在期間 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 1週間以内 | eSIM / ポケットWiFi | 手軽さ重視 |
| 1週間以上 | 現地SIM | 大容量プランが安い |
よくある質問(FAQ)
A. iPhoneの場合は「設定」→「一般」→「情報」→「SIMロック」で確認できます。「SIMロックなし」と表示されていればSIMフリーです。Androidの場合は、他社のSIMカードを挿入して通信できるか試すか、購入元のキャリアに問い合わせてください。
A. 現地SIMを挿入すると、日本のSIMは取り外すことになるため、日本の電話番号での発着信はできなくなります。日本の電話番号も使いたい場合は、eSIM(デュアルSIM対応スマホ)を検討してください。
A. 機種によりますが、一般的に8〜12時間程度です。1日使う場合は、モバイルバッテリーを持参するか、こまめに電源をオフにすることをおすすめします。
A. 多くのeSIMサービスでは、QRコードを読み取るだけで設定が完了します。日本語の設定ガイドが用意されているサービスを選ぶと安心です。不安な場合は、出発前に自宅で設定を済ませておきましょう。
A. 複数国対応のeSIMまたはポケットWiFiがおすすめです。国ごとにSIMを買い替える手間が省けます。EU圏内であれば、1つのSIMで複数国を移動できます。
まとめ
海外でネットを使うための3つの選択肢について解説しました。
・ポケットWiFi:複数人でシェアできる。設定不要で手軽。グループ旅行におすすめ
・現地SIM:料金が安い。長期滞在や1人旅に最適。SIMフリースマホが必要
・eSIM:出発前に準備完了。日本のSIMを入れたまま使える。対応スマホが必要
・短期・グループ旅行 → ポケットWiFi
・長期・1人旅・費用重視 → 現地SIM
・手軽さ・準備の簡単さ重視 → eSIM
あなたの旅行スタイルに合わせて、最適な選択肢を選んでください。
迷った場合は、まずeSIMを検討してみてください。出発前にオンラインで購入・設定が完了し、現地での手間がないため、初心者にもおすすめです。複数人での旅行であれば、ポケットWiFiでシェアするのがコストパフォーマンスに優れています。





















