「ゲーミングPCって電気代がすごくかかりそう…月にいくらくらいになるんだろう?」
ゲーミングPCは高性能なCPUやグラフィックボードを搭載しているため、一般的なPCよりも消費電力が高くなります。購入を検討している人や、すでに使っている人にとって、月々の電気代は気になるポイントです。
この記事では、ゲーミングPCの電気代が月にいくらかかるのか、具体的な数値で解説します。使用時間別のシミュレーション、計算方法、節約テクニックまで、電気代に関する疑問がすべて解決します。
読み終わるころには、自分の使い方でどれくらいの電気代がかかるかがわかり、必要に応じて節約対策もできるようになります。
ゲーミングPCの電気代は月いくら?結論から解説
結論から言うと、ゲーミングPCの電気代は月1,000円〜3,000円程度が目安です。
ただし、この金額はPCのスペック、使用時間、電力単価によって大きく変わります。
使用時間別の電気代目安
一般的なミドルスペックのゲーミングPC(消費電力300W程度)を使用した場合の電気代目安です。
| 1日の使用時間 | 月間の電気代目安 |
|---|---|
| 2時間 | 約600円〜800円 |
| 4時間 | 約1,200円〜1,600円 |
| 6時間 | 約1,800円〜2,400円 |
| 8時間 | 約2,400円〜3,200円 |
※電力単価31円/kWh、ゲームプレイ中の消費電力300Wで計算
上記はゲームをプレイしている時間の電気代です。実際には、アイドル時(待機中)の消費電力も加わるため、もう少し高くなる可能性があります。
一般的なPCとの比較
ゲーミングPCと一般的なPCの電気代を比較してみましょう。
| PCの種類 | 消費電力目安 | 月の電気代(1日4時間使用) |
|---|---|---|
| 一般的なデスクトップPC | 50W〜150W | 約200円〜600円 |
| ゲーミングPC(エントリー) | 200W〜300W | 約800円〜1,200円 |
| ゲーミングPC(ミドル) | 300W〜450W | 約1,200円〜1,800円 |
| ゲーミングPC(ハイエンド) | 450W〜700W | 約1,800円〜2,800円 |
| ノートPC | 20W〜60W | 約80円〜250円 |
ゲーミングPCは一般的なPCの2〜5倍程度の電気代がかかります。ただし、月に数千円の差であり、ゲームを快適にプレイするための投資と考えれば、許容範囲と言えるでしょう。
ゲーミングPCの電気代を計算する方法
自分のゲーミングPCの電気代を正確に把握するための計算方法を解説します。
電気代の計算式
電気代は以下の計算式で求められます。
電気代 = 消費電力(W)÷ 1000 × 使用時間(時間)× 電力単価(円/kWh)
たとえば、消費電力300WのゲーミングPCを1日4時間、月30日使用した場合:
300W ÷ 1000 × 4時間 × 30日 × 31円/kWh = 1,116円
これがゲームプレイ中の月間電気代の目安になります。
消費電力の確認方法
自分のゲーミングPCの消費電力を確認する方法は、主に3つあります。
・電源ユニットの定格出力を確認する(最大値の目安) ・ワットチェッカーで実測する(もっとも正確) ・PCパーツの仕様から推測する
電源ユニットの定格出力(例:650W)は、供給可能な最大電力であり、実際の消費電力ではありません。実際の消費電力は、負荷状況によって変動し、通常は定格出力の40〜70%程度です。
正確な消費電力を知りたい場合は、コンセントに挿して使う「ワットチェッカー」がおすすめです。1,000円〜3,000円程度で購入でき、リアルタイムの消費電力を測定できます。
電力単価の確認方法
電力単価は、契約している電力会社やプランによって異なります。
・電気料金の明細書を確認する ・電力会社のマイページで確認する ・電力会社に問い合わせる
2024年現在、全国の電力単価は25円〜35円/kWh程度が一般的です。この記事では、目安として31円/kWhで計算しています。
ゲーミングPCの消費電力はどれくらい?
ゲーミングPCの消費電力は、搭載しているパーツによって大きく異なります。
スペック別の消費電力目安
ゲーミングPCのスペック別に、消費電力の目安を紹介します。
| スペック | 代表的な構成 | ゲーム中の消費電力 |
|---|---|---|
| エントリー | Core i5 + RTX 4060 | 200W〜300W |
| ミドル | Core i7 + RTX 4070 | 300W〜450W |
| ハイエンド | Core i9 + RTX 4080 | 450W〜600W |
| ウルトラハイエンド | Core i9 + RTX 4090 | 600W〜800W |
消費電力のもっとも大きな要因は、グラフィックボード(GPU)です。ハイエンドのGPU単体で300W〜450W程度を消費することがあります。
ゲーム中とアイドル時の違い
ゲーミングPCの消費電力は、使用状況によって大きく変動します。
| 使用状況 | 消費電力の目安 |
|---|---|
| アイドル時(待機中) | 50W〜100W |
| Web閲覧・動画視聴 | 100W〜200W |
| 軽いゲーム | 200W〜350W |
| 重いゲーム(高画質) | 300W〜600W |
| ベンチマーク・高負荷時 | 400W〜800W |
ゲーミングPCをWeb閲覧や動画視聴だけに使う時間が長い場合、実際の電気代は想像より安くなります。電気代が高くなるのは、主にゲームをプレイしている時間です。
モニターや周辺機器の消費電力
PC本体だけでなく、モニターや周辺機器も電力を消費します。
| 機器 | 消費電力の目安 |
|---|---|
| 24インチモニター | 20W〜40W |
| 27インチモニター | 30W〜50W |
| 32インチ以上のモニター | 40W〜80W |
| ゲーミングキーボード | 1W〜5W |
| ゲーミングマウス | 0.5W〜2W |
| ゲーミングヘッドセット(USB) | 1W〜3W |
| 外付けスピーカー | 5W〜30W |
モニターは意外と電力を消費します。特に大型モニターや複数モニターを使用している場合は、月数百円程度の電気代が追加でかかります。
使用パターン別の電気代シミュレーション
実際の使用パターンに合わせて、月々の電気代をシミュレーションしてみましょう。
ライトユーザー(1日2時間)
・平日:仕事や学校の後に1〜2時間ゲーム ・休日:2〜3時間ゲーム ・月間ゲーム時間:約60時間
| 項目 | 計算 |
|---|---|
| ゲーム中(300W × 60時間) | 18kWh × 31円 = 558円 |
| アイドル時(80W × 30時間) | 2.4kWh × 31円 = 74円 |
| モニター(35W × 90時間) | 3.15kWh × 31円 = 98円 |
| 月間合計 | 約730円 |
ライトユーザーであれば、月1,000円以下に収まることが多いです。
ミドルユーザー(1日4時間)
・平日:3〜4時間ゲーム ・休日:5〜6時間ゲーム ・月間ゲーム時間:約120時間
| 項目 | 計算 |
|---|---|
| ゲーム中(350W × 120時間) | 42kWh × 31円 = 1,302円 |
| アイドル時(80W × 30時間) | 2.4kWh × 31円 = 74円 |
| モニター(35W × 150時間) | 5.25kWh × 31円 = 163円 |
| 月間合計 | 約1,540円 |
ミドルユーザーは月1,500円〜2,000円程度が目安です。
ヘビーユーザー(1日8時間以上)
・毎日8時間以上ゲームまたは配信 ・月間ゲーム時間:約240時間以上
| 項目 | 計算 |
|---|---|
| ゲーム中(400W × 240時間) | 96kWh × 31円 = 2,976円 |
| アイドル時(80W × 60時間) | 4.8kWh × 31円 = 149円 |
| モニター(35W × 300時間) | 10.5kWh × 31円 = 326円 |
| 月間合計 | 約3,450円 |
ヘビーユーザーやストリーマーは、月3,000円〜5,000円程度の電気代がかかることがあります。
ハイエンドPCでさらに長時間使用する場合、月5,000円を超えることもあります。電気代が気になる場合は、後述する節約方法を検討してください。
ゲーミングPCの電気代を節約する7つの方法
電気代を抑えながらゲーミングPCを使うための方法を紹介します。
電源プランを最適化する
Windowsの電源プランを調整することで、消費電力を抑えられます。
- 「設定」→「システム」→「電源とバッテリー」を開く
- 「電源モード」を「バランス」または「省電力」に設定
- 「画面とスリープ」で、一定時間後にディスプレイをオフにする設定を有効にする
ゲームをプレイしないときは「省電力」モードに切り替えることで、アイドル時の消費電力を抑えられます。
使わないときは電源を切る
当然のことですが、使わないときは電源を切ることが最大の節約になります。
スリープモードでも数W〜数十Wの電力を消費するため、長時間使わない場合はシャットダウンするのがおすすめです。
フレームレート制限を設定する
フレームレート(FPS)を制限することで、GPUの負荷を下げ、消費電力を抑えられます。
フレームレートとは、1秒間に表示される画像の枚数。60fps、144fps、240fpsなどがあり、数値が高いほどなめらかに表示されますが、GPUの負荷と消費電力も増加します。
モニターのリフレッシュレートに合わせてフレームレートを制限すると、無駄な電力消費を防げます。たとえば、60Hzのモニターを使っているなら、60fpsに制限しても見た目に変化はありません。
グラフィック設定を調整する
ゲームのグラフィック設定を下げることで、GPUの負荷を軽減できます。
・解像度を下げる(4K → 1440p → 1080p) ・レイトレーシングをオフにする ・影の品質を下げる ・アンチエイリアスを軽いものに変更 ・描画距離を短くする
最高画質でプレイする必要がないゲームでは、設定を下げることで消費電力を20〜30%程度削減できることがあります。
80PLUS認証の電源ユニットを選ぶ
電源ユニットの変換効率が高いほど、無駄な電力消費が減ります。
80PLUS認証とは、電源ユニットの変換効率を示す規格。Standard、Bronze、Silver、Gold、Platinum、Titaniumの6段階があり、上位ほど変換効率が高く、電気代の節約になります。
| 認証レベル | 変換効率(50%負荷時) |
|---|---|
| 80PLUS Standard | 80% |
| 80PLUS Bronze | 85% |
| 80PLUS Gold | 90% |
| 80PLUS Platinum | 92% |
| 80PLUS Titanium | 94% |
新しくPCを組む場合や電源を交換する場合は、80PLUS Gold以上の電源ユニットを選ぶことをおすすめします。
電力会社・プランを見直す
電力会社やプランを見直すことで、電力単価を下げられる場合があります。
2016年の電力自由化以降、さまざまな電力会社やプランを選べるようになりました。夜間の電力単価が安いプランや、使用量に応じた割引があるプランなど、自分の使い方に合ったプランを探してみてください。
モニターの輝度を下げる
モニターの輝度(明るさ)を下げることで、消費電力を抑えられます。
輝度を最大から50%程度に下げるだけで、モニターの消費電力を20〜30%削減できることがあります。目の疲れ軽減にもつながるため、一石二鳥です。
よくある質問(FAQ)
A. 消費電力300WのPCを24時間つけっぱなしにすると、1日約223円、月間約6,700円程度になります。アイドル時(80W)であれば、1日約60円、月間約1,800円程度です。
A. はい、ゲーミングノートPCは消費電力が低いため、電気代も安くなります。一般的なゲーミングノートPCの消費電力は100W〜200W程度で、デスクトップの半分以下です。
A. 長時間使わない場合はシャットダウンのほうが節約になります。スリープでも数W〜数十Wの電力を消費するため、数時間以上使わない場合はシャットダウンがおすすめです。
A. 使用時間やスペックによりますが、1日4時間使用のミドルユーザーで年間約15,000円〜20,000円程度です。ヘビーユーザーは年間30,000円〜50,000円程度になることもあります。
A. ワットチェッカー(電力計)を使用するのがおすすめです。コンセントとPCの間に挿すだけで、リアルタイムの消費電力や累積電力量を測定できます。1,000円〜3,000円程度で購入できます。
まとめ
ゲーミングPCの電気代について解説しました。
・ゲーミングPCの電気代は月1,000円〜3,000円程度が目安
・電気代 = 消費電力(W)÷ 1000 × 使用時間 × 電力単価で計算
・消費電力はスペックによって200W〜800W程度と幅がある
・ゲーム中とアイドル時で消費電力が大きく異なる
・フレームレート制限、グラフィック設定調整、電源プラン最適化で節約可能
・80PLUS Gold以上の電源ユニットで変換効率を上げられる
まずは自分のPCの消費電力を把握し、使用時間から月々の電気代を計算してみてください。
電気代が気になる場合は、グラフィック設定の調整やフレームレート制限など、ゲーム体験を大きく損なわない範囲で節約できる方法から試してみることをおすすめします。





















