「何もしていないのにキャラクターが勝手に歩き出す」
「カーソルが勝手に左に動き続ける」
「エイムが定まらなくてゲームにならない」
Nintendo Switchのプロコン(Proコントローラー)を使っていると、誰もが一度は直面するこの恐怖の現象。これは通称「ドリフト」と呼ばれる不具合です。
修理に出すと2週間以上かかったり、買い替えると8,000円近くしたりと痛い出費になりますが、実は症状が軽ければ、数百円〜0円で直る可能性があります。
この記事では、2025年現在の情報に基づき、プロコンの左スティックが勝手に動く際に見直すべき4つの手順を、リスクが低い順に解説します。
この記事で紹介する手順
- Switch本体での「スティック補正」(無料・1分)
- エアダスターでの「ゴミ吹き飛ばし」(数百円)
- 接点復活剤を使った「応急処置」(約500円〜)
- 部品交換または買い替えの判断
1. まずは「スティックの補正」を試す
物理的な故障を疑う前に、まずはソフトウェア側のズレを確認しましょう。Switch本体には、スティックの中心位置を覚え直させる機能があります。
スティック補正の手順
- Switchのホーム画面から「設定(歯車アイコン)」を選択
- 左メニューの「コントローラーとセンサー」を選択
- 「スティックの補正」を選択
- 不具合が出ている左スティックを押し込む
- 画面の指示に従って補正を行う
画面上の「+」マークが中心からズレていたり、触っていないのに丸印がプルプル動いている場合は、異常が発生しています。「補正する(Xボタン)」で直るか試してください。
2. 「白い粉」を除去する(エアダスター)
プロコンのスティックの根元を見てください。「白い粉」が付着していませんか?
これはスティックの軸と本体が擦れて削れたプラスチックの粉です。この粉が内部のセンサーに入り込むことで、誤作動(ドリフト)を引き起こすケースが非常に多いです。
注意:息を吹きかけるのはNG!
昔のゲームカセットのように「フーフー」と息を吹きかけるのは厳禁です。呼気に含まれる水分が内部の金属を錆びさせ、トドメを刺すことになります。
パソコン掃除用の「エアダスター(スプレー缶)」を使い、スティックの根元の隙間から強めに空気を送り込んで、内部の粉を吹き飛ばしてみてください。これだけで改善することも多々あります。
3. 「接点復活剤」を試す(自己責任の裏技)
補正も掃除もダメだった場合、多くのユーザーが試して効果を上げているのが「接点復活剤(コンタクトスプレー)」です。
これは金属部分の接触不良を直すためのスプレーで、ホームセンターやAmazonで500円〜1,000円程度で購入できます。
選び方の重要ポイント
必ず「プラスチックを溶かさないタイプ(ゴム・プラスチック対応)」を選んでください。KURE(呉工業)の『接点復活スプレー(No.1424)』などが定番です。強力すぎる工業用パーツクリーナーを使うと、プロコンの樹脂が溶けて壊れます。
手順:
- スティックを倒し、根元の球体部分の隙間にスプレーをごく少量吹き込む(本当に一瞬でOK)。
- スティックをグリグリと回して、液体を内部になじませる。
- 10分ほど放置して乾燥させる。
これで導通が復活し、ドリフトが直るケースが多いです。ただし、あくまで一時的な延命措置であることも理解しておきましょう。
4. それでも直らない場合:修理か買い替えか
接点復活剤でも直らない、あるいはすぐに再発する場合は、内部のセンサー部品が物理的に摩耗しきっています。ここからの選択肢は3つです。
① 自分で部品交換する(難易度:中)
Amazonなどで「プロコン 修理キット」と検索すると、交換用のスティック部品が2,000円前後で売られています。はんだ付け不要のキットもありますが、プロコンを分解する必要があるため、公式保証は受けられなくなります。「壊れてもともと」と思える人向けです。
② 任天堂公式サポートに修理に出す
保証期間内(購入から1年以内)なら無償、それ以外なら4,000円〜5,000円程度の修理費がかかります。確実ですが、発送してから戻ってくるまで10日〜2週間程度かかるのがネックです。
③ 新しいコントローラーを買う
「今すぐゲームがしたい」「分解は怖い」という場合は、買い替えが最もストレスがありません。純正プロコンは高価ですが、最近は任天堂ライセンス商品のサードパーティ製コントローラー(HORI製など)も優秀で、純正の半額程度で購入できます。
Q. プロコンの寿命はどのくらいですか?
- A. プレイするゲームや頻度によりますが、スプラトゥーンやスマブラなど激しい操作をする場合、早ければ1年未満、平均して1〜2年でスティックの摩耗によるドリフトが発生する傾向にあります。
Q. 潤滑油(クレ5-56など)を使ってもいいですか?
- A. 絶対にやめてください。一般的な潤滑油(KURE 5-56の通常版など)はプラスチックを侵食し、割れや溶解の原因になります。必ず「接点復活剤」かつ「プラスチック対応」のものを使用してください。





















